他人のゴールを手放す。自分らしい現在地を知るための自己対話

おはようございます!

一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。

本日は、私たちが目標を設定し、ビジネスや人生を前に進めていくための「自己対話」のあり方について、お伝えさせて下さい。

テーマは、「質問」と「尋問」の違いから見えてくる、他人の価値観を手放して自分らしいゴールを描くためのアプローチについてです。

先日、マツダミヒロ氏の著書である『すべてやめれば、うまくいく 自分の時間を取り戻すための最高の習慣』を読み、ハッとさせられる気づきがありました。

その中で語られていたのが、「質問」と「尋問」の違いです。

普段の生活の中で、この二つの言葉を意識して使い分けることは少ないかも知れません。

しかし、相手や自分自身に問いを投げかける時、その本質は明確に異なります。 まずは、著書で説明されていた、その違いをシェアさせて下さい。

まず、「尋問」とは、問いを投げ掛ける側の頭の中にすでに明確な正解や狙いがあり、相手をそこへ誘導したり、過去の失敗を追及したりするために行われるものです。

例えば、「なぜ目標を達成できなかったのか」「どうしてこの手順通りにやらないのか」といった問い掛けは、言葉の形は疑問文ですが、本質的には相手を特定の結論に当てはめようとする尋問です。

一方で「質問」とは、可能性を広げ、純粋に相手がどうしたいのか、何を考えているのかを引き出すためのものです。

「今の状況から、どんな一歩を踏み出したいか」「本当に大切にしたいことは何か」というように、そこに決められた正解やコントロールの意図はありません。

あくまで、質問された側が自由に思考を巡らせ、発想して、方向性を見出すためのトリガーになるものです。

この一節を読みながら、自分自身も日々のコミュニケーションや自己対話の中で、「コーチングをしている」「思考を整理している」と思い込みながら、無意識のうちに相手や自分に対して尋問をしてしまっていないだろうかと、少し立ち止まって考えさせられました。

会社組織やプロジェクト運営の現場においては、最初から狙いとする結論があり、それに向かって議論を組み立てていく「ファシリテーション」というスキルが存在します。

納期が迫るプロジェクトを成功させるためや、明らかに達成しなければならない要件がある場合、こうしたファシリテーションを用いて議論の流れを作り、確実な実行へと導くことは非常に重要です。

自分が提供しているようなPMOの観点での推進支援においても、実務の現場ではこのスキルが欠かせません。

プロジェクトが迷走しないように、関係者の認識をすり合わせ、あらかじめ設定されたゴールに向かって無駄なく一直線に進むためのルートを敷く。

あるいは意思決定して頂くために、判断のための思考プロセスを理解し、その流れに沿って資料を準備したり、その説明の裏付けとなるエビデンスを揃えたりということも、組織やプロジェクトを機能させるための極めて論理的で効果的なアプローチです。

しかし、見方を変えれば、これも一つの「尋問」に近いプロセスを繰り返していると言えるかも知れません。

目の前のトラブル対応や日々の実務(第一領域)を推進する上では極めて有効な手法ですが、これを「これからどこを目指すのか」というニュートラルな目標設定の場に持ち込んでしまうと、少し困った問題が起こりかねません。

ご自身の将来やビジネスのビジョンといった、重要だけれど緊急ではない活動(第二領域)など、ゼロベースで目指す方向を考える時に、自分自身に対して尋問調の問いを重ねてしまうとどうなるでしょうか。

ひとり社長や、事業を承継された二代目社長のみなさんであれば、無意識にこんな問いを立ててしまうことがあるかも知れません。

「経営者としては、もっと売上を伸ばすべきではないか」

「先代の築いたこの事業モデルを、今の時代にどうやって維持すべきか」

「この年齢なら、これくらいの組織規模を目指すべきではないか」

「同業他社が取り入れているあの最新ツールを、うちも導入しなければならないのではないか」

このように、世の中の「あるべき論」や、誰かからのお仕着せのゴールに向かって、自分自身を無理やり誘導してしまうことになります。 特に責任感が強く真面目な方ほど、周囲の期待や世間の常識に応えようとするあまり、自分への尋問が厳しくなりがちです。

「なぜ自分はもっと上手くやれないのか」と、過去の失敗や現状の不足分ばかりにフォーカスしてしまい、思考のベクトルが未来ではなく過去へ向かってしまいます。

しかし、他人の価値観で設定されたゴールに向かって走ることは、どこかで必ず息切れを起こします。

心からの内発的な動機がないため、プロジェクトの途中でちょっとした障害にぶつかっただけで、行動の足が完全に止まってしまうのです。

人それぞれ、心の底から在りたい姿や幸福の定義は違います。

だからこそ、自分自身を世間の型にはめる尋問ではなく、適切な「質問」を自らに投げかけることで、自分はどうしたいのか、どこを目指したいのかを丁寧に重ねていくプロセスが重要だと感じます。

「もし何の制約もないとしたら、本当はどんな事業を展開してみたいか」

「自分にとって、一番充実感を感じる瞬間はどんな時か」

こうした問い掛けによって、思考の枠組みを外し、未来に向けた可能性を広げていく。

このプロセスを通じて見えてくるものこそが、ご自身が心の底から成し遂げたい最優先のやりたいこと、すなわち『プライム・ミッション』に繋がっていくのです。

もちろん、この考え方が絶対に正しく、世間で評価される一般的なゴールを目指すことが間違っているというわけではありません。

世の中の基準で高く評価される目標にあえて挑戦してみることも、一つの選択肢です。

ただ、最終的にそれを選択するのはご自身の価値観であり、「どんな自分を体現したいか」という内発的な動機によるものだと思います。

他人が決められるものではないということです。

ビジネスにおいて避けるべきなのは、他人が言うから、世間に求められている気がするからという理由だけで、お仕着せのゴールを目指して走り続けてしまう状態です。

自分という軸をしっかりと持ち、その自分が体現できる状況をいかに作るか。

最初から100%在りたい状態を体現できることはないでしょうから、現状から始まって、1分1秒でも長く、自分らしく在ることができる環境をどうやって整えるかが、目標達成における大きなポイントだと思います。

みなさんもぜひ、日々の業務から少しだけ離れて、「自分が本当にどうしたいのか」を定期的に見つめ直す機会を設けてみて下さい。

パソコンの前に座って、眉間にシワを寄せながらウンウンと唸るのではなく、意識的に環境を変えてみることをおススメします。

少し外を散歩に出たり、リラックスできる場所で過ごしたりしながら、自分自身に優しい「質問」を投げかけてみるのです。

日常のノイズから離れた環境を作ることで、初めて自分自身の内なる声に耳を傾ける余裕が生まれます。

そして、その姿に少しでも近づけるように考え、今日できる小さな行動(ベイビーステップ)を起こしてみて頂ければと思います。

ちなみに、自分らしいゴール選びに「たった一つの正解」はありません。

「これが自分のやりたいことだ」と思って計画を立てて実際にやってみても、何か違うなと感じる事実は必ず発生します。

そうした時は、試行錯誤を重ねても全く問題ありません。

この部分でも、自分が普段お伝えしている「アジャイル・プランニング」の思考で、計画や方向性の改善を重ねていけば良いのです。

一度決めたことであっても、それが絶対不変のものだと思い込む必要はありません。

行動して得られた一次情報(事実や手応え)をベースに、何度でも柔軟にアップデートしていけばいい。

見直すことは失敗や後退ではなく、現在地を正確に把握して、より自分らしいゴールへと精度を高めるための極めて前向きなプロセスです。

他人の作った正解に合わせるのではなく、自分らしく自分のペースで進んでいきましょう。

その過程で、もし一人で思考の整理が難しいと感じた時は、客観的な「質問」を投げかけてくれる壁打ち相手(第三者)の力を借りることも、有効な環境づくりの一つです。

今日も一緒にやり抜きましょう!

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