想定外を前進の力に変える。事実と向き合うアジャイルな計画術
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は、私たちがビジネスやプロジェクトを推進していく中で必ず直面する「想定外」の事態との向き合い方について、お伝えさせて下さい。
テーマは、計画通りに進まない現実をネガティブに捉えるのではなく、前進するための「事実」としてどう活用していくかについてです。
日々ご自身でビジネスを営むひとり社長や、事業を承継された二代目社長のみなさんとお話ししていると、ある共通したお悩みをよく耳にします。
それは「目標に向けてしっかりと計画を立てたはずなのに、想定外のトラブルや急な業務が舞い込んでしまい、行動が止まってしまった」というものです。
例えば、得意先からの急なクレーム対応に追われたり、頼りにしていた社員が急に休んでしまったり。
あるいは、世の中の情勢や業界のルールが急激に変わり、これまで前提としていたやり方が全く通用しなくなったりすることもあると思います。
特に、スモールビジネスの経営者は、現場の実務を回すプレイヤーとしての役割と、未来の事業を描くビジョナリーとしての役割を同時に担っています。
そのため、実務の現場で想定外のトラブルが起きると、それが直接、未来に向けた重要だけれど緊急ではない活動(第二領域)の時間を削り取ってしまうという構造があります。
朝一番で「今日は1時間だけ新しいプロジェクトの計画を練ろう」と決めていたのに、出社した瞬間にトラブルの電話が鳴り響き、気がつけば夕方になっている。
そんな日々の連続に疲弊してしまった経験は誰にでもあるはずです。
真面目な方ほど、こうした事態が起きると「自分の計画が甘かったのではないか」「やっぱり今の忙しい環境では新しい取り組みなんて無理なんだ」と自分を責めてしまいます。
そして、せっかく踏み出した未来への歩みを止めてしまいがちです。
しかし、自分が提供している推進支援の現場で、PMOの視点からプロジェクトを見ていると、全く違った捉え方ができます。
それは、「想定外の事態が起きることは失敗ではなく、プロジェクトにおける大前提である」という考え方です。
最初に立てた計画通りに、寸分の狂いもなくゴールまで辿り着けることなど、現実のビジネスにおいてはまずあり得ません。
それは、変化が少なく先が読めた時代に通用したウォーターフォール型の考え方です。
現代のように、不確定要素が極めて多いVUCAと呼ばれる環境下では、むしろ「想定外のことが起きて当たり前」という前提に立ってプロジェクトを進める必要があります。
プロジェクトマネジメントの世界において計画とは、絶対に守るべき神聖なものではなく、現状が当初の想定からどれくらいズレているかを測るためのベースラインに過ぎません。
ズレが発生したこと自体を嘆くのではなく、ズレを検知した上でどうリカバリーするかが推進の鍵なのです。
では、実際に想定外の事態が起きた時、どのように対処すればいいのでしょうか。
一番大切なのは、起きた事象に対して「感情」や「解釈」と「事実」を明確に切り離すことです。
想定外のトラブルが起きると、人間はどうしても焦りや不安、あるいは怒りといった感情が先走ってしまいます。
「なんでこんな忙しい時に限って」という感情や、「この顧客はいつも無茶な要求をしてくる」という個人的な解釈が頭を支配します。
さらには、「自分はいつも計画通りに進められないダメな経営者だ」というネガティブな自己解釈にまで発展してしまうこともあります。
しかし、そこから一呼吸置いて「今、客観的に何が起きているのか」という事実だけを抽出してみて下さい。
「想定していたルートAが通行止めになった」
「確保していたはずの作業時間が3時間削られた」
「今日の夕方までに対応すべきタスクが1つ増えた」
ただ、これだけのことです。
これらは、あなたを苦しめるためのものではなく、現場で行動し、現実と向き合ったからこそ得られた新しい「一次情報」です。
事実と感情がごちゃ混ぜになっていると感じた時は、一度紙に書き出してみるのもおススメです。
書き出すことで客観的な視点を取り戻し、自分をコントロールできるようになります。
この新しい事実(一次情報)を手に入れたら、次にやるべきことは計画のアップデートです。
ここで自分が常々お伝えしている「アジャイル思考」の出番になります。
目的地であるご自身の『プライム・ミッション』(最優先のやりたいこと)を変える必要はありません。
最終的なゴールはそのままに、新しく手に入れた事実をベースにして今日からのルートを少しだけ引き直せばいいのです。
「ルートAがダメなら少し時間はかかるけれど、ルートBを試してみよう」
「今日は3時間削られたから、明日のスケジュールをこう組み直して、まずはこの小さなタスク(ベイビーステップ)だけを確実に終わらせよう」
このように、事実を元に柔軟に対応していく。
これこそが、アジャイル・プランニングの真髄です。
想定外の事態は、計画を止めるための言い訳ではありません。
むしろ、計画の解像度を上げ、より現実に即した精度の高いルートを見つけるための貴重なヒントになります。
そう捉えることができれば、想定外の出来事さえも、自分らしいゴールへ向かうためのプロセスの一部として愉しむことができるはずです。
ビジネスの現場では、これからも数え切れないほどの想定外があなたを待ち受けているでしょう。
でも、それはあなたが新しいことに挑戦し、前に進もうとしている確かな証拠でもあります。
安全な場所に立ち止まっていれば、想定外の事態で転ぶリスクはありませんが、見える景色が一生変わることもありません。
想定外が起きるということは、あなたが今、確実に前へ進んでいるという何よりの事実なのです。
ご自身のビジネスにおいて、想定外の出来事に直面して足が止まってしまっていることはないでしょうか。
もし、心当たりがあればまずは感情を横に置いて、客観的な事実を受け止めてみて下さい。
そして、そこから導き出される新しい小さな一歩を、確実に行動に移して頂ければと思います。
完璧な計画を手放し、目の前の事実と向き合うその柔軟な姿勢が、あなたの思い描く未来を確実なものにしていきます。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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