「ネガティブな約束」を守る。信頼を繋ぐ有言実行の重み
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は日々のビジネスにおいて
私たちが周囲と交わす約束と信頼関係について
お伝えさせて下さい。
テーマは「ネガティブな約束」を守ることの重要性と
それがもたらす本当の信頼についてです。
みなさんもこれまでの経験の中で、
ご自身の目標やチームに対する宣言として
「有言実行」を意識される場面は多々あると思います。
有言実行と聞くと
「高い売上目標を達成する」「新しい事業を立ち上げる」といった
ポジティブな宣言を実現することを
思い浮かべる方が多いかも知れません。
しかし、ビジネスの現場において守るべき約束は、
ポジティブなものだけではないのです。
「ここまでやってダメなら撤退する」
「この期限を過ぎたら計画を白紙に戻す」
といった、一見ネガティブに聞こえる宣言であっても、
口にした以上はしっかりと守ることが、
実行を伴走する上で、非常に大切だと自分は考えています。
少しイメージしにくい部分もあるかと思いますので、
本日は自分が会社員だった頃の
一つの実例をお話しさせて下さい。
(生々しすぎるのも何なので一部変えています…)
当時、自分はあるプロジェクトに参加していました。
そのプロジェクトは、納期や達成すべき数値に対して、
非常に厳しい要求が課されているものでした。
ビジネスのプロフェッショナルとして、
高い目標に向かうのは当然のことではありますが、
当時のメンバーからすると、
少し背伸びをしても届くかどうかという
なかなかハードなチャレンジ目標が掲げられていました。
そのため懸命に行動しても、
達成できない状況がしばらく続いていたのです。
連日の厳しい業務でプロジェクトメンバーには疲弊の色が濃くなり
「本当にこのまま同じやり方で継続していいのだろうか」という
重い空気がチーム全体に流れ始めていました。
そんな状況を見かねたのか、
当時のプロジェクトマネージャーが、
チームに対して最終通告とも言える方針を発表しました。
「次回の期限でこの目標が達成できなかったら、
一旦このプロジェクトは諦めよう」
という明確なお達しです。
メンバーとしては、
これまで心血を注いで積み上げてきた成果が
無に帰してしまうのはやはり辛いものがあります。
だからこそ、「最後になんとかやれることをやり切ろう」と奮起し、
残された時間で懸命にがんばりました。
そして、結果はどうなったか…
残念ながら、目標には届かず達成することはできませんでした。
メンバーの顔には疲労が見え、
プロジェクトルームには残念な空気が漂っています。
しかし、結果はもう変えられません。
「ここまで必死に頑張ったけれど、
やれることはすべてやったのだから仕方がない」と
メンバーの誰もが結果を受け入れ、
潔く気持ちの整理をつけようとしていたのです。
ところが、この明確な未達という結果を受けて、
プロジェクトマネージャーは、予想外の判断を下しました。
「せっかくみんなでここまでやったんだから、
もう一回だけ期限を延ばして様子を見よう」
と言い出したのです。
最後通告を受けていたメンバーたちは、
プロジェクトが存続して喜んでいいのか、
それとも、もうひと頑張りが必要な状況に悲しんでいいのか、
非常に微妙な表情を浮かべていました。
なぜなら、「これが最後だ」という言葉を信じ、
ラストスパートとして、すべての力を出し切ってしまった
メンバーが数多くいたからです。
少し想像してみて下さい。
長くて苦しいマラソンを走り続け、
ようやく見えたゴールに向かって、
最後の100メートルをラストスパートで駆け抜けたとします。
そして、息も絶え絶えにゴールテープを切ろうとした瞬間、
「実は、あと1キロ先までゴールを延ばすことにしたよ」と、
突然言われたらどう感じるでしょうか。
宣言された時から、何の状況も変わっていないのに
単にゴール地点だけが先送りされた状態です。
いくら走るのが好きなランナーであっても、
その瞬間に心が折れ、足が止まってしまうのではないでしょうか。
個人的には、このマネージャーの判断は、
一生懸命に走ってきたメンバーに対する
一種の裏切りになってしまうのではないかと感じました。
もし、もともと期限を延ばすつもりであったのなら、
メンバーに不正確な情報を与えて
無理なラストスパートを強いたことになります。
逆に、マネージャーの中で何か特別な条件の変化があり、
延ばす正当な理由が生まれたのだとしたら、
その背景情報はしっかりとメンバーに
共有して欲しいと思うのです。
どちらにしても、メンバーからすれば、
「自分たちは本当の理由を知らされていない」
「正しい情報を共有する相手として信用されていない」
と感じてしまいます。
この時、プロジェクトマネージャーが
どういう思いで決断したのかを聞くことはできませんでした。
おそらく、「メンバーの努力を無駄にしたくない」という
ある種のやさしさから出た言葉だったのかも知れません。
しかし、結果として、
この一つの約束を破ったことにより、
多くのメンバーからの根本的な信用を
失ってしまったのではないかと、自分は思っています。
背景にある情報を透明性をもって共有できない方には、
心の底から信用して付いて行くことはできません。
それに加えて、
一度「ダメなら終わる」という約束を簡単に反故にしてしまうと、
次に新しいプロジェクトで期限を区切ったとしても、
メンバーは「どうせまた延長されるだろう」と
無意識に考えるようになってしまいます。
目標に向かって行動するポジティブな有言実行はもちろん大切です。
しかし、今回のように、
メンバーと決めたネガティブな約束をどう守るかも、
組織の実行力を維持する上で非常に大切だと思います。
自分がリーダーとして、
あるいは実行を支援するパートナーとして、
このような状況を作り出さないために
良いことも、悪いことも、
口にした以上は実行するという姿勢が、
本当の信頼を築く土台になるのだと痛感しました。
決して、ネガティブな宣言を撤回すること
(期限を延ばしてあげること)が、
メンバーに対する本当のやさしさにはなりません。
そんなこともあると、胸に刻んで行動して頂ければ幸いです。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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