痛みを煽らず前向きに進むビジネスの形
ヴィジョン実現ストラテジスト、福井俊治(しゅんじ)です。
個人事業主として日々ビジネスに向き合っていると、世の中で当たり前のように語られているやり方に対して、ふと違和感を覚えることはないでしょうか。
自分はあります。(笑)
集客やご案内の方法を学んだものの、いざ自分がお客様を前にすると、どうしても言葉が詰まってしまう。
今日は、そんなふうに自分の気持ちとビジネスの手法の間で揺れているみなさんに向けて、自分が日頃感じていることと、大切にしている考え方をお伝えできればと思います。
人が行動を起こす理由は、大きく分けてたった2つだと言われています。
それは、できる限りの喜びや楽しさを手に入れるため、そしてもう一つは、できる限りの痛みや苦しみを避けるためです。
ビジネスを学ぶ場や本などでは、特に後半の、痛みを避けるという人間の心理に注目したアプローチがよく教えられています。
人は楽しい未来を想像するよりも、目の前の危機や恐怖から逃れようとする時の方が、強い力で衝動的に動くと言われているからです。
みなさんも、こんな進め方を聞いたり、見たりした経験があるかも知れません。
まずはお客様に対して、今の状態がいかに不十分であるかを徹底的に感じてもらうように働きかけます。
今のままの行動を続けていると、将来どれだけ大変なことになるか。
実は今、とても危うくてダメな状態にいるのだということを、これでもかというほど具体的に伝えていきます。
そうやってお客様が苦しみや、強い不安を感じる状況を作り出し、この苦しさから逃れるために、どうかあなたのサービスを使わせてほしいと心からすがりたくなる状態まで追い込んでいきます。
そして、相手が限界まで不安になったタイミングで、これを使えば楽になれますよと自分のサービスを差し出し、申し込んでいただく。
多くのビジネスの学びの場では、このような流れが売れるための定番ストーリーとして伝えられている気がします。
そして、その教えを素直に受け取った方々も同じ流れでご提案をされるので、結果としてあちこちのご案内や個別相談の場面で、お客様を追い込むようなやり取りが繰り返されているのが現実ではないでしょうか。
目に見える商品の場合は、こうしたやり方はあまり見かけません。
しかし、コーチ・コンサルやカウンセリングといった相談業、各種レッスンやサポートといった目に見えない無形サービスの場合は、その価値を理解していただくために、こうした痛みを強調する手法が多く使われているのが自分の実感です。
形がないサービスだからこそ、強い危機感を感じてもらわないと必要性が伝わらない、と考えられているのかも知れません。
もちろん、これもビジネスにおける一つの正しい方法なのだと思います。
実際にこのやり方で大きな売上を作ったり、成果を上げたりしている方も数多くいらっしゃいますので、実績という面から見れば間違いないアプローチと言えるのかも知れません。
ただ、自分自身はこのやり方があまり得意ではありません…
どれだけ効果があると聞いても、いざ自分がやるとなると、どうしても手が止まってしまいます。
なぜなら、こちらからサービスをご案内する際にも、あるいは自分が誰かのサービスを受ける際にも、相手の傷口に塩を塗り込むような関わり方にどうしても馴染めずにいるからです。
今抱えている苦しみから抜け出すためにサービスを使っていただき、結果として気持ちが楽になったり状況が良くなったりすること自体は、とても大切で素晴らしいことだと思います。
しかし、その一歩を促すために、相手の痛いところを無遠慮にグリグリと押し込んでいくようなアプローチは、やっぱり少し違うのではないかと感じています。
さらに言うと、この相手を追い込むアプローチの裏側には、お客様となる相手を自分の思い通りにコントロールしてやろうという本音が隠れているような気もします。
自分がこのやり方をあまり好まない一番の理由は、もしかすると、この相手をコントロールしようとする空気感にあるのかも知れません。
もしこれを読んでいるみなさんの中に、ご案内の場面になると急に苦しくなってしまう方がいるとしたら、それはスキルが足りないのではなく、目の前の大切な人をコントロールしたくないという自然な思いがあるからかも知れません。
本来、ビジネスでも目標達成でも、行動の主役は常にお客様自身にあります。
サービスを提供する側が恐怖心で相手を動かすのではなく、お客様自身が気づきを得て、自分の意志で一歩を踏み出していただくことが何より大切だと考えています。
先ほどの、痛みを徹底的に理解してもらうことも気づきの一つだという考え方もありますし、確かにそれも一理あります。
ただ、自分が考える「気づき」とは、もう少し前向きで温かいものです。
今の自分はなんてダメなんだと落ち込むことではなく、こうすれば自分はもっと良くなっていけるんだ、あるいはこんなふうに行動してみたいという前向きな気持ちから生まれる発見こそが、本当の気づきではないかと思うのです。
おぼれている人がわらにもすがるような苦しい形でサービスを使っていただくのではなく、現状をさらに良くするためにサービスを取り入れ、プラスのエネルギーを加えて自分の力でどんどん上へ進んでいく。
そんなイメージで、自分のサービスを使っていただきたいと願っています。
では、相手の痛みを煽らずにサービスの魅力を伝え、前向きに行動していただくにはどうすればいいのでしょうか。
自分も自らのサービスを通して、お客様の課題解決をサポートしていますとお伝えしていますが、その課題という言葉は、ダメなところを探し出すようなネガティブな意味ではありません。
今いる現在地と、心から望む「理想の未来」との間にあるギャップを確認し、その未来を手に入れるためにどうやってギャップを埋めていくかを一緒に考えて行動する、という意味で使っています。
意識の矢印が、過去の反省や現状へのダメ出しではなく、常にこれからの未来へ向かっている感覚です。
もしみなさんが、ご自身のサービスをお客様にお伝えする時に迷いを感じているなら、無理に相手の不安を煽る必要はまったくありません。
まずは、お客様が本当はどんな未来を望んでいるのかを丁寧に聴き出し、その素敵な未来を一緒に思い描いてみて下さい。
その上で、今の状態からそこへ行くために何が必要なのかを一緒に整理し、相手が望む情報を手渡して、必要なサポートをご案内するだけで十分ではないかと考えるのです。
状況に応じて自分の専門的な視点からちょっとしたアドバイスを添えることで、止まっていた足が自然と動き始めたり、少し鈍っていたスピードが心地よく加速したりする瞬間がたくさん生まれます。
文章にしてみると、こうした細かい感覚の違いはなかなか伝わりにくいかも知れません…
それでも自分がお伝えしたいのは、人を動かす本当の力は、現状から逃げ出したいという苦しさから湧き起こるものだけではなく、未来へ向かう「前向きなエネルギー」の中にこそあるという思いです。
恐怖や焦りで無理やり動かした足はいつか疲れて止まってしまいますが、自分で納得して踏み出した一歩は、長く楽しく走り続ける力になります。
相手の痛みをえぐるのではなく、理想の未来への道筋を一緒に描きながら、前向きなエネルギーで伴走していく。
そのようなサービスを提供し、心から望む未来を手に入れる方を一人でも多く増やしていきたいというのが、今の自分の強い思いです。
もしこの考え方に共感していただける方がいらっしゃったら、ご自身のビジネスでもぜひこの温かい関わり方を取り入れてみて下さい。
そして、自分たち自身も望む未来へ向かって、前向きな一歩を重ねていきましょう。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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