説明は全体から細部へ。認識のズレを防いで行動を促す仕組み
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は、自らビジネスを進めていく中で、お客様にサービスをご案内したり、誰かに業務をお願いしたりする際の「伝え方」についてお伝えさせて下さい。
テーマは、いきなり細部の説明から入るのではなく、まず全体像を共有して認識を合わせることで、スムーズに物事を前に進める仕組みについてです。
自らビジネスを立ち上げて活動していると、自分の中にあるアイデアやサービスの内容を、言葉や文章にして誰かに伝える場面が多々あると思います。
その際、みなさんはどのような順番でお話を組み立てているでしょうか。
何事においてもそうですが、誰かに何かを説明する時は、必ず最初に「全体像」をお伝えして、そこから「細部」の説明へと入っていく順序が大切になります。
いきなり細部の話をされても、一つひとつの個別の情報がいくら分かったところで、全体像が頭に入っていなければ、その細かい情報をどのように理解し、繋ぎ合わせればいいのかが分かりません。
全体構成をどのように把握していいのか見当がつかず、結果的に相手に内容が伝わらないという事態が発生してしまいます。
ですので、お話をする場合も、お話を聞く場合も、必ず最初に全体構成を理解してから次に進めるように意識することが重要です。
自分が会社員だった頃の、ある辛かった経験談をお話しさせて下さい。
自分は元々、金融系のシステムエンジニアとしてキャリアを開始しました。
その後、社内で部署の異動を希望し、自動車開発のエンジン制御開発を担当する部署へ異動させてもらった時のことです。
異動したばかりの部署で、最初に当時の上司から渡されたのが、500ページ以上にもなる制御仕様書の一式でした。
「まずはこれを読んで理解しろ」というようなトーンで一通り渡されたのですが、これが本当に大変な作業でした。
確かにその仕様書には、処理する内容が事細かに書いてありました。
システムとして実行することが何かという観点で見れば、間違いなく理解できる内容として作られているのだと思います。
実際にその仕様書を見てソフトウェアが作られているわけですから、基本的には間違いない代物です。
しかし、異動してきたばかりの自分にとっては、その制御仕様が全体として「何をしようとしているのか」という一番の目的が読み解けませんでした。
そもそも、このシステム全体として何を実現しようとしているのか。
それぞれの細かい制御が、何を目的としてそこに存在していて、それらをどう組み合わせて最終的に何を実現しようとしているのか。
そういった全体像を全く理解しないまま、ただただ膨大なページを読むことだけを求められたという状況です。
特にエンジン制御においては、10msで何を処理して、40msで何を処理して、100msで何を処理して、といったように、非常に細かな制御周期ごとにやるべきことが決まっています。
更新頻度の要求から、処理周期や実行タイミングが緻密に変わっています。
ここに対する全体的なメカニズムを理解しないまま、いきなり細部の制御仕様書から入ろうとしても何も分からず、本当に苦労しました。
(まぁ、分かる人が見れば、全体像のようなものも書いてはあったのですが、素人には手出しできない記載レベルでした。)
特に手取り足取り教えてもらえるような状況でもなかったので、まずは1週間程度、泣きそうになりながら必死に読み込んでいたのを覚えています。
しかし、読んでも読んでも、そこに書いてある個別の処理は分からないでもないのですが、結果的に「それで何が嬉しいのか」「何が達成されるのか」という本質的な部分は全く理解できませんでした。
結局、1週間が経っても何も分からない状態で、ただ時間だけが過ぎてしまいました。
ついにギブアップをして、上司に「これだけ読んでいても分かりません」と正直に状況を伝えたところ、そこで初めて当時の上司が概要説明をしてくれたという記憶があります。
その概要を聞いてようやく全体像がぼんやりながら繋がり、「どういう構成で何を達成しようとしているのかくらいは最初から教えてよ」という気になったのです…
やはり、全体像が分からない状態でいくら具体的な仕様を読んだところで、それが良いのか悪いのか、なぜそんな処理をしているのかという背景が全く頭に入ってこないのです。
詳細から最初に言われても、全体像がイメージできないままでは細かい部分の理解が進まず、全体としてのメカニズムも理解できないまま終わってしまいます。
この経験は、自らビジネスを行い、プレゼンや何かを説明する時にも全く同じことが言えると思います。
まず全体として何を言おうとしているのか。
何を達成しようとしているのか。
今からお話ししようとしていることの目的は一体何なのか。
これらをしっかりと相手に理解していただくということが、最初に必要なステップになります。
例えば、起業して間もない時期は、ご自身のサービスに対する熱量が高い状態です。
ビジネスを育てているみなさんは、サービスのことを誰よりも深く考え、細部までこだわり抜いて作られていると思います。
だからこそ、お客様にサービスをご案内する時、無意識のうちに「自分の頭の中にある全体像は、相手も何となく分かってくれている」という前提で話を進めてしまうことがあります。
その結果、「この講座ではこんなワークがあって」「サポート期間中は毎日質問できて」と、一番アピールしたい細部のスペックから熱く語ってしまいがちです。
しかし、初めてそのサービスに触れるお客様の頭の中は白紙の状態です。
過去の自分が500ページの仕様書を渡されたのと同じように、「それで結局、自分はどうなれるのだろう」という全体像(目的地)が見えないうちは、いくら手厚いサポートの話をされても上の空になってしまうかも知れません。
伝える側は「ここまで細かい話を丁寧に伝えているのに、なぜ分かってくれないんだ」と不満に思い、聞いている側からすると「全体像が把握できないうちに、なぜそんな細かい話ばかりしてくるんだ」とストレスを抱えることになります。
全体像が理解できないうちに細かい話ばかりをされても、何も前に進められないというのが、聞いている側からの正直な感覚だと思います。
文章として伝える時も同じことが言えます。
最初に何を伝えたいのかという概要を理解していただく構成が必要になります。
ただ、文章で伝える時は読み手の読解力や状況に多分に依存する部分があります。
ですので、できれば文章だけで完結させようとするのではなく、全体像の把握については口頭での説明も含め、お互いの認識レベルを合わせるということが重要になってくると思います。
誰かに何かを伝えようとする時は、必ずまず「概念」であったり「全体像」というものを、お互いに理解し合うというところから始める必要があります。
その上で、お互いの理解が一致している状態で、さらに詳細を説明するという流れでないと、いつまで経ってもお互いの認識レベルが合わないということになります。
概要説明が終わって、お互いに目的地を共有できた段階で初めて、「それを達成するための具体的な方法が以下になります」と、詳細な資料や個別の仕組みについてお伝えしていく。
順序立てて認識をしていただくことが重要です。
ご想像いただければ分かると思いますが、詳細を延々と話されてから最後に概要や構成の話をされたところで、改めてその全体概要を理解した上で、もう一度詳細に立ち返って再確認するという作業が必要になります。
これではお互いにとって非常に非効率です。
流れ的には、全体でやるべきことが理解できて、そのために具体的にこういう風にするのだな、という作りの部分を確認するというのが、人間が物事を理解する上での自然な手順になります。
これは、お客様へのご案内だけでなく、外部の専門家に業務をお願いする時にもあてはまります。
「ここのデザインはこうして」「この文章を入れて」と細部を指示する前に、まずは「このビジネスを通してどんな未来を作りたいのか」という全体像を共有する。
そうすることで、相手も全体の中での自分の役割を理解し、お互いの認識のズレを防ぐことができます。
誰かに説明するという場合においては、必ず全体像の把握を両者で確認した上で、詳細に進むということが求められます。
ぜひ、何かを伝えようとする時、ご自身の説明がそのような構成になっているかを確認した上で対応いただければと思います。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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