見えない価値を信じる。リスク対策の正解を決める仕組み
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は、自らビジネスを進めていく中で、新しい挑戦につきものの「リスク」との向き合い方についてお伝えさせて下さい。
テーマは、リスク対策への投資に対する費用対効果の罠から抜け出し、迷いなくビジネスを前へ進めるための仕組みについてです。
自らビジネスにおいて、新しい企画を始めたり、これまで経験したことのない規模のプロジェクトに挑戦したりする場面が必ず訪れます。
例えば、初めて自主開催のセミナーを企画する時や、新しい継続講座をリリースする時などです。
そのような未知の領域に踏み出す際、私たちの頭の中には様々な不確実性がよぎるものです。
当日になってシステムトラブルが起きて配信が止まってしまったらどうしよう。
多額の広告費をかけたのに想定通りの集客ができなかったらどうしよう。
お客様から思いがけないクレームが来てしまったらどうしよう。
こうした、まだ起きていない未来への不安や不確実性が、いわゆるリスクと呼ばれるものです。
ここで一つ、プロジェクトマネジメントの観点からリスクに対する考え方を整理してみたいと思います。
リスクというのは、すでに発生してしまって目の前に実在する問題や課題とは異なります。
問題はすでに起きている事実なので、原因を分析して明確に解決へと動かなければなりません。
しかしリスクはまだ起きていない事象なので、すべてを今すぐ対応しなければならないというものではないのです。
起きるかもしれない事象に対して、それが起きた時のインパクト(影響の大きさ)と発生確率を掛け合わせて考え、そこで想定されるダメージを客観的に評価した上で、どのように備えるかを決めるのがリスク対策の基本になります。
ですので、考えられるすべてのリスクに対して、何かしらの対策を打たなければならないというわけではありません。
リスクが現実になった時に受けるダメージの大きさが非常に小さかったり、発生する確率が極めて低かったりする場合は、あえて対策を打たずにそのリスクを許容するというのも立派な選択肢の一つです。
例えば、あるビジネスに投資を行って100万円のリターンが見込める状況で、最悪の場合の損失リスクが1万円だと想定されたとします。
普通に考えれば、100万円を得るための1万円の損失なら許容できると判断し、特別な対策にコストをかけずに実行へと移すと思います。
また、もし100万円をまるまる失ってしまうような大きなリスクがあったとしても、その発生確率が0.01パーセントといった極めて低い数字であれば、投資を実行するという判断を下すことは十分にあり得ます。
このように、実際に発生した時のダメージの大きさや確率によって、ご自身がそれを受け入れられるかどうかでリスクの許容度は変わってきます。
この許容できるかどうかの判断基準は、ご自身のビジネスの現在の状況によっても大きく異なってきます。
起業して間もない時期であれば、1万円の損失であっても致命的なインパクトになるかもしれませんし、資金よりも時間が削られることへのダメージの方が大きい場合もあります。
大切なのは、世間一般の基準ではなく、今のご自身の現在地から見てそのリスクが受け入れられるものかどうかを客観的に判断するということです。
インパクトや発生確率を総合的に考えた上で、どうしても許容できないという致命的なものに対してのみ、何らかの対策を打つというのが実務的な考え方になります。
しかし、このリスク対策を実行していく上で、非常に悩ましい問題が一つあります。
許容できないリスクへの対策として一番良いのは、そのリスクの発生を完全に抑制する、すなわち回避するという状態です。
他にもダメージを一定量に抑えたり、発生確率を下げたりといった対策もありますが、完全に回避できれば何もダメージを受けないわけで、それが一番良い状態であることは間違いありません。
一番悩ましいのは、この回避するための投資とリターンの考え方になります。
通常、私たちはビジネスにおいて費用対効果という考え方を持ち、どれだけのお金や時間を投資すればどれだけのリターンが得られるかという観点で物事を評価します。
集客のために広告費をかければ、何人のお申し込みがあるか。
業務効率化のためにシステムを導入すれば、どれくらいの作業時間が削減できるか。
目に見えるリターンが存在すれば、その投資は妥当だったと判断できます。
しかし、リスク対策という観点で言えば、対策が完璧に機能してリスクを完全に回避できた場合、手元に残るのは「何も起きなかった」という静かな事実だけです。
後からプロジェクト全体を振り返ってみた時に、そのリスク対策への投資が本当に妥当だったのかどうかが全く分からないという事態が発生します。
例えば、万が一のシステムトラブルによるデータの消失に備えて、堅牢なシステムにするための構造見直しを外部の専門家に依頼して構築したとします。
結果的に何のトラブルも起きずにプロジェクトが無事に完了した場合、何事もなくて良かったと安堵する一方で、心のどこかに迷いが生じることがあります。
実はあの高額な投資をしなくても、本当は何も起きなかったのではないかという疑念です。
ひとりでビジネスを進めていると、誰かに相談して承認を得るプロセスがないため、ご自身の決断を後から批判的に見てしまうこともあるかもしれません。
この、リスク対策への投資判断の正解が事後には見えなくなるというのが、非常に難しい現実問題です。
では、この費用対効果のジレンマに対してどのように考え、行動すればよいのでしょうか。
結論からお伝えすると、リスク対策にかかるコストについては事前に割り切り、事後に投下コストに対するリターンは得られたかという振り返りを行わないと決めることが大切だと思います。
あらかじめ想定したリスクに対してインパクトと発生確率を冷静に見積もり、そこで考えられるダメージのみにフォーカスして投資を判断します。
そのダメージがご自身のビジネスにとってどうしても許容できない致命傷になるのであれば、そこに対してどれだけの投資をするかということを、その時点での情報のみで判断するのです。
そして、実際のプロジェクトが終わった後に、その投資が妥当だったかどうかの振り返りは行わないという仕組みを作ります。
なぜなら、抑制できたリスクが投資に見合ったものだったかどうかは、対策をしなかった場合のパラレルワールドの結末と比較しない限り、誰にも正確な評価ができないからです。
あの時、堅牢なシステムを構築していなかったらデータが消えていたのか、それとも無事だったのか。
それは実際に起きてみないと分かりませんし、存在しない別の世界と比較して無駄だったかもしれないと悩むことは、意味のある振り返りにはなりません。
もし、終わった後に何も起きなかったからあの対策費用は無駄だったという振り返りをしてしまうと、非常に危険な罠に陥る可能性があります。
次回の似たようなプロジェクトの際に、前回は大丈夫だったから今回は対策コストを削ろうという判断をしてしまいがちになるからです。
そして対策を怠ったまさにその時に限って、致命的なトラブルが発生してしまうというのは、ビジネスの現場でよく耳にする話です。
だからこそ、リスク対策への投資は結果論で評価してはいけないと考えます。
投資の妥当性というのは、あくまでも実行を決断したその瞬間の状況と情報でしか判断できないものだと思います。
ある意味、対策を実行すると決めたのであれば、あとはご自身がすべてを信じてその対策をやり切ったかどうか。
その観点だけで振り返りを行うというのが、リスク対策における健全な向き合い方だと考えます。
ビジネスにおいては、すべてに関して終わった後に実績を振り返って、改善策を探ることが良しとされがちです。
数字を分析し、次回はもっと費用対効果を上げようと見直すプロセスは確かに重要です。
しかし、リスク対策に限定して言えば、何事も起きなければそれが一番良かったという結論に至ります。
何も起きなかったという結果こそが、対策が完璧に機能し、すべてが正しかったという最高の成功の証なのです。
そのような考え方も含めて、日々の投資判断やプロジェクトの最終評価というものを行ってみてはいかがでしょうか。
目に見える売上や集客といったリターンだけを追い求めるのではなく、見えないリスクを防ぎ、ビジネスを安全に前へ進めるための投資には、間違いなく大きな価値が存在します。
事前にしっかりと判断基準を持って割り切ることで、終わった後にもったいなかったかなと不要な自責の念に駆られることもなくなり、精神的なエネルギーを次の新しい挑戦へと向けることができるようになります。
あくまでもプロジェクト推進における一つの考え方にはなりますが、みなさんが今後様々なリスクに対峙して決断を下す際の指標として、このような考え方も持っていただいて良いのではないかと思います。
何か新しい行動を起こす時、頭の中の不安が大きくなりすぎて歩みが止まってしまいそうになったら、まずはそのリスクのインパクトと確率を冷静に書き出してみて下さい。
そして、許容できるものは許容し、対策すべきものには迷わず投資をする。
事前の見極めと割り切りが、確かな一歩を生み出します。
ぜひ、ご自身のビジネスをしっかりと守りながら、安心して行動を積み重ねていくための参考にされてみて下さい。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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