意思を言葉に乗せる。小さな表現の違いで相手の信頼を獲得する仕組み
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は、ご自身のサービスをお客様にご案内する時や、新しい企画をご提案する時に、ぜひ意識してみていただきたい「言葉の選び方」についてお伝えさせて下さい。
テーマは、無意識に使ってしまいがちな言葉の細部に気を配ることで、ご自身の意思を相手に真っ直ぐに届け、プロとしての信頼を獲得する仕組みについてです。
自らビジネスを立ち上げて活動していると、自分自身の提供するサービスの魅力や、そのサービスがお客様にどのような変化をもたらすのかを、自らの言葉で説明する場面が多々あると思います。
例えば、初めてお会いする方へのご提案資料を作ったり、ご自身の想いやサービスの理念をブログやSNSで発信したりする時などです。
そうした大切な場面において、みなさんはご自身の発する言葉にしっかりと「意思」を乗せて発信できているでしょうか。
自分が昔、会社に入ってまだ若手社員だった頃の苦い、しかし今でも鮮明に覚えている経験談をお話しさせて下さい。
当時、自分は金融系のシステムエンジニアとして仕事をしていました。
その中で、お客様にご提示するための新しいシステム構成の提案書を作る機会がありました。
お客様が抱えている目標や解決したい課題に対して、必要なシステムの構成案を3パターンほど検討し、それぞれのメリットやデメリットを比較して最適なものをご提案するという資料です。
一生懸命に情報を整理し、なんとか資料の形にまとめて上司に確認をお願いしたところ、内容そのものではなく「ある言葉遣い」について厳しく指摘を受けました。
それは、自分が資料の結論部分で使っていた「本件に最適なシステム構成は、このようになります」という表現でした。
最初にその指摘を受けた時、若かった自分には上司がなぜそこを直せと言っているのか、すぐには理解できない状態でした。
上司から言われたのは、「『こうなる』ではなく、『こうする』だろう」ということでした。
ただの語尾修正だけのシンプルな指示だったのですが、そこにはプロジェクトを動かすプロフェッショナルとしての非常に重要な教訓が隠されていました。
「こうなる」という言葉と「こうする」という言葉。
一見すると、どちらも同じような結果を伝えているように感じるかも知れません。
しかし、その二つの言葉の裏側にある「意味合い」は全く異なります。
「こうなる」という状態は、色々な条件が重なって、結果として自然とそういう状態に行き着いたというニュアンスを含んだ言葉になります。
少し厳しい言い方をすれば、たまたまそうなったという偶然性や、外部の要因によって決められたという、どこか他人事のような響きを持ってしまうのです。
「こうなってしまった」という言葉があるように、自らが明確な意思を持っていようがいまいが、環境や状況によって「なる」ということは起こり得ます。
一方で、「こうする」という状態は違います。
結果としての形は同じであったとしても、「自らが明確な意思を持ってそのように決断し、実行した結果としてそうした」という強い意味合いがそこには含まれています。
たまたま「こうする」ということは絶対に発生しません。
自分がプロとして現状をしっかりと分析し、最適な答えはこれだと決断したからこそ生まれる、確かな意思を持ったアクションの言葉なのです。
この違いを、みなさんがお客様の立場で提案を受ける側になって考えてみていただければ、よく分かると思います。
例えば、何か大きな悩みを抱えて専門家に相談に行き、サポートのプランを提示される場面を想像してみて下さい。
その時に、「お客様の状況をお伺いした結果、最適なプランはこちらになります」と提案されるのと、「お客様の状況を分析した結果、最適なプランとしてこちらをご提案します」と言われるのとでは、どちらに頼もしさを感じるでしょうか。
確実に後者の方が説得力があり、その提案者がプロとして自分のために意思を持って最適なものを選び抜いてくれたという熱量が伝わってくると思います。
「こうなる」と言われてしまうと、どこかマニュアル通りにシステムが自動で弾き出したような、あるいは周囲の状況に流されているような感覚を抱かせてしまい、そこにあるはずの説得力が失われてしまうのです。
そして、「こうする」「これをご提案する」と自らの意思で言い切るからには、必ず「なぜそれを選んだのか」という背景や根拠を説明することがセットになります。
「あなたに最適なプランとしてこちらを提案します。なぜなら、お客様の現在の課題はここであり、それを解決するためには、このステップを踏むことが最も確実だと判断したからです」
このように、自らの意思決定の背景をセットで説明された方が、お話を聞くお客様としても非常にロジカルで理解しやすく、心の底からハラ落ちしやすいのではないかと思います。
逆に、「こうなります」という他人事のような言葉で提案されたものに対してその背景を説明されても、お客様からすれば「たまたまそういうパッケージになっているだけなのかな」と、少し冷めた受け止め方をしてしまうこともなきにしもあらずです。
特に、ご自身でビジネスを始めて間もない方や、真面目で控えめな方ほど、お客様に対して「こうします」「これをご提案します」と言い切ることに、少し抵抗を感じてしまうことがあるかも知れません。
「強く言いすぎて押し付けがましくならないだろうか」
「もし期待通りの結果が出せなかったらどうしよう」
そんな不安や、相手を気遣う優しさゆえに、無意識のうちに言葉を濁して「こうなります」というマイルドな表現を選んでしまうお気持ちも分かります。
しかし、プロフェッショナルとしてお金をいただき、お客様の課題を解決する立場に立った時、その過度な遠慮は、かえってお客様を不安にさせてしまう原因になり得ます。
お客様は、あなたの優しさや控えめな態度にお金を払うのではなく、「自分の悩みを確実に解決してくれるプロとしての頼もしさ」に対して対価を支払うからです。
「こうする」と言い切ることは、決して傲慢になることでも、相手に考えを押し付けることでもありません。
それは、「自分はあなたの課題解決から逃げずに、最後までしっかりとやり遂げますよ」という、誠実な約束の証なのです。
自分はこの若手時代の経験以来、あらゆるビジネスの場面において、安易に「こうなる」という表現は使わず、自らが意思を持って「こうする」という表現を使うように徹底しています。
一人でビジネスをしていると、すべてのご提案やサービスの品質に対する責任はご自身が負うことになります。
だからこそ、発する言葉の端々に「自分が責任を持ってこの形に決めた」という意思を乗せることが、そのままお客様からの信頼へと直結していくのです。
もちろん、本当に意図しない結果として、前提条件があって不可抗力でそうなってしまったという事実を伝える場面であれば、「こうなります」という表現を使っても全く問題ありません。
しかし、自らがプロフェッショナルとして意思を持って行動し、お客様に価値を提供する時には、「こうなる」という言葉はどうしても他人事感が否めず、ご自身の意思で動いているようには客観的に聞こえなくなってしまいます。
これは、決してお客様に何かをご提案する時や、サービスのご案内資料を提示する時だけの話ではありません。
日々のビジネスにおける、自らの行動や計画を周囲に伝える時、あるいは自分自身で手帳に予定を書き込む時にも同じことが言えます。
「午前中はブログを書くことになっています」
「来月は新しいセミナーを開催する予定になっています」
一人で仕事をしているのに、誰かに決められたスケジュールであるかのように「なっています」という表現を使ってしまうことはないでしょうか。
ここでもやはり、「午前中はブログを書きます」「来月は新しいセミナーを開催します」と、ご自身の意思として「する」と言い切ることが大切です。
言葉というのは不思議なもので、自分が発した言葉のニュアンスに、自分自身の意識や行動も少しずつ引っ張られていくという性質があります。
「なっています」という他人事の言葉を使っていると、どうしても行動に対するコミット(責任と決意)が弱くなり、行動を先延ばしにしてしまう隙を生じかねません。
一方で、日頃から「こうします」「こう進めます」と意思を込めた言葉を使っていると、自然とご自身の行動に対する責任感が高まり、目標に向かって迷いなく進んでいくことができるようになります。
自分が発する言葉を一番近くで聞いているのは、他の誰でもない自分自身だからです。
自分自身の行動に対して「する」と明確に宣言することで、迷いや甘えを断ち切り、プロジェクトを前に進めるための原動力へと変えていくことができます。
書き言葉であっても、直接お話しする時の発言であっても、自ら意思を持って行動することを伝える時は、確実に自分がその言葉に責任を持てるように「こうする」「自分はこう考える」という表現を選ぶように心がけてみて下さい。
相手にとっても、その方があなたの覚悟や本気度が真っ直ぐに伝わり、安心してビジネスをお任せできる頼もしいパートナーとして受け止められやすくなると思います。
自分の意思を言葉に乗せるというのは、今日からすぐにお金もかからずに始められる、非常に強力なビジネスの改善手法です。
ぜひ、日々の何気ない発信やお客様との会話の中で、ご自身の本気度を「こうする」という言葉に乗せて伝えてみて下さい。
その小さな言葉の積み重ねが、確実にあなたのビジネスの価値を高め、新しい未来を切り開く力になっていくと考えます。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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