今年のマシンに黒色が増えた理由
こんにちは!
プロジェクトマネジメントコーチの福井俊治(しゅんじ)です。
2023年シーズンを戦う各チームの新車発表が完了しました。
シャシーのレギュレーションが大幅変更されて2年目ということで、昨年から大きく外観の形状を変えてきたチームは無かったように思います。
一方で、外観で一番目を引いたのは各チームのカラーリングの変化ではないでしょうか。
今年は、メルセデスがシルバーアローから全身ブラックのマシンに回帰したのを筆頭に、各チーム明らかにボディに黒色のエリアが増えている傾向にあります。
これはファッション的な要素で、今年は黒色が流行り!となったわけではもちろんなくて、技術的な理由から各チームが選択した結果なのでした。
もともと新世代のF1マシンは昨年の開幕時点では、ほぼ全てのチームが規定重量オーバーのマシンで走っていたと言われるほど、マシン重量の低減に苦労していました。
昨年一年を通して苦労してきたチームは最終的にほぼ規定重量以内に収まっているようです。
ただ、そんな苦労もピレリタイヤの重量が増えるなど、標準部品の増量もあったりで、さらに低減を求められる状況です。
さらに言えば、ポーパシング対策のためには最適な重量バランスが求められ、いかに規定重量以内にマシンを収めて、バラストで調整できるかもポイントになります。
そんな状況から、各チームは黒いエリアを積極的に増やし、その部分は塗装をせずにカーボン剝き出しにすることで重量を稼ごうという作戦なのです。
たかが塗料の重量かも知れませんが、ボディ全体で考えると、1gでも減らしたい状況下では無条件で効果的に重量を減らせる素晴らしい策になります。
そんなこんなで今年のマシンは黒が多いのでした。
マシンの軽量化が進むと、鮮やかなカラーが復活するとの話もあるようですが果たしていかに?
今日も一緒にF1を楽しみましょう!