音信不通は相手の「脳のメモリ」を奪う行為である

おはようございます。

一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。

あくまでも自分の周りの出来事だけだと思うのですが、最近やり取りをしていて突然音信不通になる人が多すぎると感じています。

何かお願いをされたり、提案を依頼されたりして、こちらがレスポンスを返した時にそこから一切返信が来なくなるというパターンです。

ビジネスパーソンとしてレスポンスを返すというのは当然のやり取りだと思うのですが、そういったこともなされないということが多々あるのにちょっと驚きを隠せません。

今日はそんな状況に置かれた時に、相手がどれぐらい困っているかというのを共有させて頂き、もしご自身でそういったことをされているという心当たりがあれば、ぜひ今後の行動改善につなげて頂ければと思っています。

コミュニケーションの滞りは、すなわち目標達成への流れが止まることと同義だからです。

色々な音信不通のパターンがあると思いますので、整理しながら見ていきたいと思います。

まず1つはメールでやり取りしていてレスポンスが返ってこないというパターンです。

メールの場合、レスポンスが返ってこないのが単純に相手が返信をしていないだけなのか、それともシステム的なトラブルで迷惑メールフィルタに引っかかって自分の目に触れてないのかというのを切り分けないといけないというコストが掛かるのが大前提としてあります。

送信した側としては、返信がないと不安になります。

「届いていないのではないか?」

「失礼なことを書いてしまっただろうか?」

そう考えて、大量の迷惑メールフォルダの中を捜索したり、ゴミ箱を確認したりといった作業が発生します。

それでもメールが見当たらない場合に、相手に対して「メールは届いていますでしょうか?」と状況を確認するといった手間が必要になります。

たった一通の「受信しました」という返信がないだけで、これだけの確認コストと精神的なリソースを相手に使わせてしまっているという事実を、受信側はもっと重く受け止めるべきかも知れません。

さらに、打ち合わせの日程調整をしていて、相手からいくつか頂いた候補日程に対して希望日時を返信した時に、そこから返事が来なくなると、それで予定を確定していいものかどうかと非常に困ってしまいます。

何とか日程を調整した時であれば、なおさらそのストレスは高まります。

相手からすれば「自分が提示した候補日の中から回答してもらってるので、どの候補になってもその時点で確定だろう」という思いがあるのかもしれません。

しかし、ビジネスの現場は生き物です。

提案したタイミングから状況は変わっているかもしれませんし、緊急の案件が入っている可能性もあります。

こちらとしては返事もしているので、「承知しました。では〇月〇日の〇時で確定とします」という、認識合わせの連絡が欲しいのが正直な思いです。

この「確定の連絡」がないと、カレンダーには仮押さえの予定が残り続けます。

その時間は他の予定を入れることができず、宙ぶらりんの状態になります。

もし、その間に別の重要なアポイントの依頼が来たらどうするでしょうか。

「確定していない予定」のために、確実なチャンスを断らなければならないかもしれません。

是非コミュニケーションとして、お互いの認識合わせの1本のメールというものを入れるようにして頂けると、お互い気持ちが良いと思いますし、機会損失も防げるはずです。

別のパターンとしては、何か提案をお願いされてこちらで内容を検討して提案をするというパターンもあります。

これは通信手段には限らないのですが、提案書をまとめて提案を行った時に、その後ばったりと連絡が来なくなってしまうという状況が起こります。

これは非常に信じられないのですが、提案内容に対して興味がなかったのか、そもそも必要がなくなったのか、忙しくて今その提案を確認する暇がないのか、それすらも分からないまま放置されているということが発生してしまいます。

こちらとしては、提案に対して何かしらのフィードバックを頂いて再提案することも想定していますので、ある程度リソースを調整できるようにしておきたいという思いはあるものの、いつまでも反応が得られないとさすがにどうすることもできなくなります。

結果、そのまま諦めて確保していたリソースを開放してしまうということがあります。

そんな状況の中で、旬を逃したタイミングで「あの件、見直しをお願いします」と改善のお返事を頂いたところで、なかなかそれに対応するのは難しいというのが正直なところです。

「保留」という放置状態で拘束され続けることは、目に見えないコストを支払い続けているのと同じです。

相手の時間を奪っているという感覚を、どれだけ持てているでしょうか。

こういう場合は「今は見れないので、いついつまでに一報します」とか、ある程度目処感だけでもご連絡頂けると、こちらも準備のしようはあるというものです。

「検討中」というステータスも、立派な情報です。

それを伝えて頂くだけで、こちらは「ああ、忘れられていないんだな」「検討のテーブルには乗っているんだな」と安心し、次のアクションの準備ができます。

そして、不要になったのであれば「不要になった」「今回は見送ります」と一言言って頂ければ、自分の脳のリソースを不要なものに割かないで済むので、それはそれでありがたいものです。

正直、提案に時間を使ったので残念なことではあるのですが、それはもうビジネスですからしょうがありません。

一番最悪なのは、イエスかノーか分からない状態で、相手の脳のメモリを占有し続けることです。

パソコンでも、使っていないアプリを立ち上げっぱなしにしていると動作が重くなりますよね。

音信不通にするということは、相手の脳内で「あの件どうなったっけ?」というアプリを強制的に起動させ続けているようなものです。

以上見てきたように、突然音信不通になるというのは、コミュニケーションしている相手に対して大変失礼な行為であり、必要以上に相手のリソースを蝕むということを理解して頂き、状況であったり、結論であったりを可及的速やかに共有頂くというのがあるべき姿かと思います。

その時点で最終結論が出ないのであれば、その状況をありのままにお伝え頂くのが良いのだと思います。

「まだ上司の確認が取れていません」

「他社と比較検討中で時間が掛かっています」

「正直、優先順位が下がってしまいました」

どんなネガティブな情報でも、沈黙よりは100倍マシです。

ぜひ、ビジネスパーソンとして当然のこととして、そのようなコミュニケーションを心がけて頂ければと思います。

何か目標に向かって行動しようとする時、必ず誰かとのコラボレーションが発生すると思います。

その時、信頼される人というのは、能力が高い人ではなく、レスポンスが早く、相手の時間を大切にできる人です。

音信不通になる人は、知らず知らずのうちに「信頼」という口座から残高を引き出し続け、気づけば残高不足(破綻)になっているかもしれません。

常に今のような話を意識して頂き、相手への想像力を持ったコミュニケーションを心掛けて、行動を続けていって頂ければと思います。

お互いに気持ちよく、パッパとボールを投げ合える関係性こそが、目標達成への最短ルートを作ります。

今日も一緒にやり抜きましょう!

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