鏑木毅さんに学ぶ目標達成に至る技術
おはようございます。
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
今日は、自分が心の底から感銘を受けた、一冊の本を紹介させて下さい。
日本を代表するプロトレイルランナー、鏑木毅さんの「プロトレイルランナーに学ぶやり遂げる技術」(実務教育出版)です。ちなみに、鏑木さんは自分がトレイルランニングをやっていた時に所属していたチームでお世話になっていた師匠でもあります。(2018年の本で現在は残念ながら絶版のようです…)
実は、自宅の本棚でたまたま目についたので、このタイミングで再読したのでした。
自分も走る人間のはしくれとして、そして、何よりも「やり抜く」を自らのテーマにする者として、この本は今の自分にとって必読の一冊でした。
今日は、この本から学んだやり遂げることの本質が、あなたの日々の目標達成に、どう活かせるのか、そのヒントをお伝えしたいと思います。
目標に向かって突き進む中で、誰でも必ず困難な壁に直面します。
「もうダメだ」「これ以上は、一歩も進めない」
心が折れそうになる瞬間です。
そして、多くの人は、その自らが設定した「限界」の前で足を止めてしまう。
しかし、鏑木さんたちが戦う「トレイルランニング」という世界。
特に、100マイル(約160km)もの山道を昼夜を問わず走り続けるウルトラレースという競技。
それは、一般に「限界」と呼ぶ地点の遥か、遥か先に存在しています。(ちなみに、自分も3回100マイルレースを完走していますが、それはレベルが違い過ぎる世界の話です…)
彼らがなぜ、そんな常軌を逸した挑戦をやり遂げることができるのか。
それは、決して、彼らが超人的な精神力を持っているから、だけではありません。
鏑木さんは、本書の中で、それを「技術」として分析されています。
「もうダメだ」という、絶望的な状況を乗り越えるための、具体的な「技術」なのだと。
この「精神力ではなく、技術である」という視点。
これこそ、自分が、日々のコーチングで、PDCAやWBSといった「型(プロセス)」の重要性をお伝えしていることと通底していると言えば言い過ぎでしょうか?
それはさて置き、「やり遂げる」ことは、根性論ではなく、技術なのです。
では、その誰もが学ぶことができる「技術」とは、一体何でしょうか?
本書から、あなたが、今すぐ自らの目標達成に応用できる、特に重要な「技術」をいくつかご紹介します。
1. ゴールを先に決め、そこから逆算する(第1章より)
鏑木さんは、まず「こうなりたい」という、明確なゴールを先に決めると言います。
これは、まさに自分が目標設定と呼ぶプロセスそのものです。
「何となく頑張る」のではなく「このレースで、この結果を出す」という、鮮明な解像度の高い「理想の姿」を最初に定義する。
その揺るぎないゴールがあるからこそ、そこから逆算して「では、そのために今日何をすべきか」という、具体的で質の高い日々の行動(トレーニング)計画を設計することができるのです。
あなたの挑戦が、もし、今、ぼやけているとしたら、それは、この最初の「ゴール設定」が曖昧だからかもしれません。
2. 「コントロールできない要素」を手放す(第3章より)
レース中、天候や路面状況、あるいは、競争相手の動向といった、自分ではどうしようもできない「コントロールできない要素」に心を乱されてはいけない、と説かれています。
これは、日々の仕事や人生においても、全く同じです。
市場の動向、他人の評価、過去の失敗。
それらは全て、あなたがコントロールできない要素です。
そんなものに、心を囚われ、焦りを感じるのは、エネルギーの無駄遣いでしかありません。
鏑木さんは、それらを、ただ「事実」として受け入れ、自分が「コントロールできる要素」、すなわち、自分のペース、自分の補給、そして、自分の思考に、意識を集中させると言います。
「他人」ではなく、自分と自分の置かれた状況にフォーカスする。それが、ここでの本質です。
3. 「理想の自分」を客観的に演じる(第4章より)
レース中「もうダメだ」という、極限状態において、鏑木さんは、面白い思考法を使います。
それは、主観的な苦しみにもがく自分からあえて距離を置き、「鏑木毅ならどうするか?」という、もう一人の客観的な視点(理想の自分)を持ち込むのです。
これは、以前、自分がブログで書いた「キャラ設定」の話と全く同じ構造です。
感情に飲み込まれそうになった時、あえて「目標を達成するはずの理想の自分」というキャラクターを設定し、その「彼(彼女)なら、今、どう行動するか?」と、問い掛ける。
この客観的な視点が、あなたをパニックから救い出し、感情に流されない、冷静で最善の次の一手(アクション)を選択させてくれるのです。
4. 完璧を目指さず、まず、一歩を踏み出す(第6章より)
鏑木さんは、選手としてだけでなく、UTMFという国内で初となる100マイルレースを立ち上げ、レース運営としても「開拓者」としての挑戦をされています。
その際、鏑木さんが大事にしていること。
それは「最初から100%を目指さない」ということです。
これは、誰もが陥りがちな「最適化の罠」を見事に言い当てています。
完璧な準備ができるまで行動を遅らせるのではなく、まずは不完全であっても一歩を踏み出し、実行してみる。
そして、そこから得られたフィードバックを元に改善を繰り返していく。
完璧主義の罠に陥らず、まず行動を起こし、PDCAを回すことの重要性がここでも示されています。
5. 変化を「事実」として受け入れる(第7章より)
最終章、鏑木さんは「老い」という、全ての人間に平等に訪れる変化とどう向き合うか、について語ります。
過去の栄光にすがり、無理に若さに抗うのではない。
「肉体が変化している」という、その厳然たる「事実」をまず冷静に受け入れる。
そして、その「今の自分」という、新しい与えられた条件の中で、できるベストな挑戦(新しい目標設定や走り方)を模索し、リスタートする。(この時は50歳でのUTMBへの再挑戦を表明されていました)
これは、まさに、与えられた前提条件の中で、最適な方法を模索するという考え方そのものです。
いかがでしょうか。
この本は、トレイルランニングという過酷なスポーツを題材にしていますが、その根底に流れているのは、全ての挑戦者にとって、普遍的で価値ある「目標達成の技術」です。
あなたの、その価値ある挑戦を「やり遂げる」ために。
この一冊があなたにとっての最高の「地図」となり、そして「コンパス」となることを、自分は確信しています。
機会があれば、ぜひ手に取ってみて下さい。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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