計画はあくまで「地図」であり、目的地には一歩も近づいていない
おはようございます。
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
自分はいつも、目標達成においては「計画」を立てることが大切だという話をさせて頂いています。
行き当たりばったりで動くよりも、地図を持って動く方が、遥かに効率的であり、ゴールへの到達確率が高まるからです。
しかし、何事にも「限度」や「バランス」というものがあります。
今日は、計画ばかりに時間を掛けてしまい、肝心の行動が疎かになってしまうという、非常に悩ましい、しかし多くの方が陥りやすいテーマについて、一緒に考えていきたいと思います。
先日、クライアント候補の方とじっくりお話しをする機会がありました。
その方は、とある企業の執行役員を務められている方だったのですが、その方が管掌されているチームのメンバーに関する、ある切実な悩みを教えて頂きました。
その内容はというと、非常に真面目で優秀ではあるものの、「計画ばかりに時間を掛けて、なかなか実行に移さない人がいる」というお話でした。
みなさんの周りにも、あるいはみなさんご自身の中にも、心当たりはないでしょうか。
完璧な計画書を作ることに情熱を注ぎ、そこで満足してしまったり、あるいは準備に時間を掛けすぎて、旬を逃してしまったりするパターンです。
それに対して、「どうすればいいだろうか?」とコメントを求められましたので、自分はこう答えました。
「ある程度で時間を切って、そこまでの時間内で計画を立てて、本人が完全じゃないと思っても、強制的に行動してもらうのがいいんじゃないでしょうか」
いわゆる「タイムボックス」の考え方です。
ビジネスにおいて、時間は有限のリソースです。
無限に時間があれば、完璧な正解が見つかるかもしれませんが、競合もいれば、市場の変化もあります。
ですので、行動して得られた結果からフィードバックを掛けていく仕組みを、無理やりにでも作るのがいいんじゃないかと提案させて頂きました。
そうすると、その執行役員の方は、少し困ったような顔でこう仰いました。
「いや、それがね…中途半端な計画で行動すると、当然失敗することもあるよね。そうすると、今度はその『失敗分析』に時間を掛け過ぎて、またそこから次の計画に落とすのにも時間を掛けてしまって、結局また動けなくなるんだよ」
なるほど、と思いました。
ここまでくると、自分も「う〜ん」と唸ってしまいました。
負のループに入り込んでしまっている状態です。
行動する →(準備不足で)失敗する → 深く落ち込み、詳細に分析する → 次は失敗したくないので、さらに綿密な計画を立てる → 時間が掛かりすぎて動けない。
このサイクルが、その方の行動力を完全に奪ってしまっているのです。
きっと、そのメンバーの方は、ひとつひとつの検討に時間を掛けて、ある程度の見通しと、自分の中での「完全な納得感」がないと動けないタイプなのだろうなと思いました。
これは、もうその方のキャラクターであり、真面目さの裏返しでもあると思います。
「失敗したくない」「完璧でありたい」「評価を下げたくない」
そんな心理的安全性への欲求が、行動へのブレーキとなってしまっている。
そこまでやり切らないと、自分の中で行動に至るまでの「Goサイン」が出せないのでしょう。
その時は、その場で即座に最適なコメントを返すことができなかったのですが、いま改めて考え直してみると、解決策はやはりシンプルに一つしかないのではないかと思いました。
それは、「すべてに期限を設定し、その中で考えられる最善の打ち手を選択して進んで行く」ということを、徹底して繰り返すことです。
会社によっては、いろんな案や、素晴らしいプランを報告するだけで、「いろいろ考えていて凄いね」と評価を頂けることもあるようです。
会議室で綺麗な資料を発表し、論理的な説明をすることで、仕事をした気になってしまう。
しかし、本質的に見れば、動いていなければ何も生み出していません。
計画書自体は、一円の利益も生まないのです。
結果を出すための計画なので、結果が伴わなければ、どんなに優れた計画であっても、それだけでは「価値がない」と言えてしまいます。
やっぱり、最終的には行動に落とし込み、現実世界に変化を起こすべきです。
計画はあくまで「地図」であり、地図を眺めているだけでは、目的地には一歩も近づいていません。
では、具体的にどうすれば、この「完璧主義の罠」から抜け出せるのでしょうか。
自分なりの答えは、「分析や再計画の期限を明確に区切り、仮にその設定期限を迎えたときに生煮えのプランであっても、まずはやってみる」というルールを課すことです。
「生煮え」でいいのです。
そして、あまりに見通しが立たない状況、つまり失敗する確率が高いと感じるのであれば、その行動の評価を「短期」でこまめに実施する方が良いと思います。
1ヶ月かけて計画し、1ヶ月かけて実行して失敗すると、ダメージは2ヶ月分です。
しかし、3日で計画し、3日で実行して失敗すれば、ダメージは1週間分で済みます。
そうして、さっさと細かく補正しながら進んで行くのです。
「失敗」を「データ収集」と捉え直すことで、分析に掛ける時間も短縮できます。
「なぜ失敗したのか」と人格を責めるような反省をするのではなく、「Aプランは違った、じゃあBプランだ」と、実験結果として淡々と処理する感覚です。
その方が、止まってウンウン唸っているよりは、遥かに組織に価値をもたらすと思います。
もし、自分一人では不安で、どうしても「納得感」が得られないようであれば、上位者への報告などを上手く使って、ある意味、周囲を巻き込んで進めるのが得策です。
「今の段階ではここまでしか見えていませんが、とりあえずこれで一歩目を踏み出します。方向性がズレていたら軌道修正してください」
そうやって、上司やチームメンバーを「共犯者」にしてしまうのです。
必要に応じてアドバイスをもらいながら進めるようにすれば、失敗した時の責任も分散されますし、何より「一人で抱え込んで止まる」という最悪の事態は避けられます。
計画は大事です。
それは間違いありません。
しかし、それはあくまで「行動するための準備」であり、行動することが「目的」です。
その主従関係を間違えてはいけません。
6割の完成度で見切り発車できる勇気を持つこと。
それが、結果として「限界突破」への近道になるはずです。
そのバランスに悩みながらも、まずは一歩、足を踏み出してみてはいかがでしょうか。
その一歩が必ず景色を変えてくれるはずです。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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