正論で不必要に相手の心を傷つけていないか?

おはようございます!

一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。

1月24日、土曜日。

本日は自戒の念も込めて、「事実の伝え方」と「人への寄り添い方」をテーマにお伝えさせて頂ければと思います。

先日、ある出来事から反面教師としての学びを得ました。

実は、以前から治療していたインプラントの手術が無事に終わり、術後の経過確認のために初めて歯医者に行ってきました。

治療の経過自体は順調だったのですが、まだ少し嚙み合わせに違和感があったので、お医者さんに相談しました。

「もう少し噛み合わせを調整できると嬉しいのですが…」

ごく普通の、患者としての相談のつもりでした。

しかし、返ってきたのは予想もしない冷たい言葉でした。

「前回にも言いましたけど、忘れました?」

その先生はちょっとイラついた様子で続けました。

「インプラントに関しては、構造上これ以上の調整は無理です。もしこれ以上噛み合わせを変えたいなら、相手側の歯(上の歯)の歯列矯正が必要です。時間もお金もかかりますよ。それ、やりますか?」

…絶句しました。

確かに、先生の言っていることは医学的に正しいのでしょう。

「調整は限界である」

「やるなら大掛かりな矯正が必要である」

これらは、紛れもない事実だと思います。

プロフェッショナルとして、できないことはできないと伝える必要があります。

しかし、患者である自分の心に湧き上がったのは、納得感ではなく、強烈な拒絶感でした。

こちらとしては、ただ不安で、相談をしたかっただけなのです。

それなのに、まるで「物分かりの悪い患者」扱いをされ、攻撃的な言葉で冷たく突き放されたように感じました。

事実という正論で、バッサリと切り捨てられた気分でした。

帰ってから、まだモヤモヤを抱えながら、ふと思いました。

「これ、自分もやってしまっていないだろうか?」と。

自分は普段、目標達成のコーチとして、クライアントに伴走しています。

計画表(WBS)を作成し、PDCAを回して成果を出すサポートをしています。

その過程では、当然ながらクライアントが計画通りに行動できない場面も多々あります。

「今週はこれをやると決めたのに、できませんでした。」

そんな報告を受けることもあります。

その時、自分はどんな対応をしているか。

「先週も言いましたけど、これをやらないと目標達成は無理ですよ?」

「やると決めたのはあなたですよね。やりますか? やめますか?」

もし、こんな風に淡々と事実を突きつけ、正論で改善を促していたとしたら、それはあの歯医者さんと同じです。

もちろん、そんなこと、やってはいませんよ。(笑)

相手は機械ではありません。

感情を持った、生身の人間です。

機械なら「エラーが発生しました。修正して下さい。」で動くかもしれませんが、人間は心が動かなければ、身体も動きません。

正論で追い詰められれば追い詰められるほど、心は防衛本能で閉じてしまい、改善どころか「もうこの人には相談したくない」と思わせてしまうでしょう。

いかに事実を踏まえ、その上で、クライアントの気持ちや状況に寄り添えるか。

ここが、プロフェッショナルとして、伴走者としての分かれ道なのだと痛感しました。

事実を伝えるだけなら、誰にでもできます。

極論、AIや管理ツールのアラート機能でもできます。

「進捗が遅れています。どうしますか?」と表示するだけなら、自分という人間が介在する意味はありません。

自分が関わるからには、自分にしかできない向き合い方、寄り添い方をしなければ意味がないです。

もちろん、コーチとして、客観的に「できていない事実」を伝えることは大切です。

なあなあにして、「出来なくてもいいですよ」と甘やかすことが優しさではありません。

しかし、事実を伝える際にも、その前に相手の感情を受け止めることが必要です。

「そうですか、出来なかったんですね。まずは正直に報告してくれてありがとうございます。」

「やろうと思っていたのに出来なかった、その時、どんな状況だったんですか?」

「残念ですよね。その気持ち、分かります。」

そうやって、まずは相手の横に並ぶこと。

そして、「なぜそうなったのか」という背景を、責めるのではなく、一緒に解き明かすつもりで引き出すこと。

これが、関わるコーチとしての最低限の役割だと思います。

もし、あの歯医者さんがこう言ってくれていたらどうだったでしょうか。

「そうですよね、違和感ありますよね。分かります。ただ、構造上ここを削ると強度が落ちてしまうんです。今の状態で慣れて頂くのが一番良いのですが、どうしても辛い場合は矯正という手もあります。どうしましょうか?」

言っている「事実(内容)」は変わりません。

でも、受け取り手の印象は天と地ほど違います。

「ああ、この先生は自分の辛さを分かってくれているんだ」と思えれば、厳しい事実も受け入れられます。

今回の歯医者さんでの出来事は、そんな当たり前だけれど、ついつい忘れがちな大切なことに改めて気づかせてくれた、貴重な経験でした。

みなさんも、部下や後輩、あるいは家族に対して、正論をぶつけてしまうことはありませんか?

「なんで言った通りにやらないの?」

「前にも言ったよね?」

もし、そう言いそうになったら、一度深呼吸してみて下さい。

その言葉は、相手を動かすための言葉でしょうか。

それとも、自分がスッキリするための言葉でしょうか。

事実は変えられませんが、伝え方は変えられます。

相手の心に橋を架けてから事実を渡す。

そんな丁寧なコミュニケーションを、自分も改めて意識しながら、クライアントに向き合っていきたいと思います。

今日も一緒にやり抜きましょう!

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