圧倒的当事者意識の落とし穴と自分という資源の守り方
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
今日は頑張りすぎないことの大切さについて、特に真面目で責任感の強いあなたに向けてお伝えさせて頂ければと思います。
みなさんは仕事をする上で、「当事者意識」という言葉をよく耳にすると思います。
「仕事を自分事として捉えなさい」
「指示待ちになるな、主体的に動け」
ビジネスの現場では、この当事者意識を持つことが正義とされ、高い成果を出すための必須条件のように語られます。
もちろん、自分もそう思います。
プロジェクトを成功させるためには、メンバー一人ひとりが「これは自分のプロジェクトだ」という意識を持つことが何より重要です。
しかし、この圧倒的な当事者意識には、一方で落とし穴があるとも考えています。
プロジェクトをチームで回していると、本当にいろいろなことが発生します。
当初の計画通りに進むことは、残念ながら基本的にはありません。
予期せぬトラブル、やるべき事の変更、スケジュールの遅延。
そして何より難しいのが、人の問題です。
チームの中には、残念ながら本来の役割通りに動いてくれない人もいたりします。
「明日までにやると言ったのに、提出されない」
「ボールを持ったまま抱えて放さない」
そんな状況に直面した時、圧倒的な当事者意識を持っている真面目な人はどう考えるでしょうか。
「このままではプロジェクトが遅れてしまう」
「クライアントに迷惑がかかる」
「全体の進捗を守らなければ」
プロジェクト全体が自分事化されているため、そこで起きている不備や停滞を、まるで自分のミスであるかのように感じ、強烈な危機感を抱きます。
「なんとかしないと!」
その責任感から、多くの人がとってしまう行動パターンがあります。
それは、動かない人の代わりに自分が動いて、前に進めるという解決策です。
「あの人がやらないなら、自分がやった方が早い」
「文句を言っている時間があったら、手を動かして終わらせよう」
そうやって、本来他人がやるべきタスクを、自分の背中に背負い込んでしまうのです。
これ自体は、決して間違ったことではありません。
プロジェクトを停滞させないための緊急避難的な措置としては、むしろ称賛されるべき行動かもしれません。
実際に、そうやって穴を埋めてくれる人がいるおかげで、多くのプロジェクトが首の皮一枚で繋がっているのも事実です。
しかし、ここからが問題です。
この代行を、一度や二度ではなく、常態化させて続けてしまうとどうなるか。
確実に疲弊していってしまいます。
最初は「プロジェクトのため」「みんなのため」と前向きに取り組んでいたはずの活動が、徐々にとらえ方が変わってきます。
自分の業務に加えて、人の分の業務までこなすわけですから、当然残業は増え、休みは減り、心身ともに余裕がなくなっていきます。
すると、高かった志やモチベーションが、ネガティブな感情に支配され始めます。
「なんで自分ばかりがこんなに苦労しているんだ?」
「あの人はさっさと帰っているのに、なんで自分がフォローしないといけないんだ?」
これは、ある意味で当然の心理的反応です。
人間は、見返りのない自己犠牲を無限に続けられるほど強くはありません。
自分事化しすぎた結果、全ての重圧を一人で受け止め、心の中でチームメンバーに対し、ネガティブな感情を抱くようになってしまう。
これは、プロジェクトにとっても、そして何よりあなた自身にとっても、非常に不幸な状態です。
そして、最大の問題は、あなたが動けなくなった瞬間に訪れます。
あなたが無理をしてカバーすることで、表面上は順調に進んでいるように見えていたプロジェクト。
しかし、それはあなたのオーバーロードという一本の細い柱によって支えられていただけの砂上の楼閣です。
あなたが疲弊し、限界を迎え、対処しきれなくなって止まった瞬間、プロジェクトは一気に崩壊します。
「あの人がやってくれていたから回っていただけだった」
その事実に気づいた時には、もう手遅れなのです。
結果として、あなたが一番守りたかったプロジェクトの成功そのものが、あなたの頑張りすぎによってリスクに晒されてしまうという皮肉な結末を迎えます。
では、どうすればいいのでしょうか。
責任感の強いあなたが、チームの不備を見過ごすことができないのは分かります。
そこで提案したいのが、自分が肩代わりして進めるという行動の位置づけを変えることです。
もし、誰かのタスクを巻き取らなければならない時は、それを解決策だと思わないで下さい。
それはあくまで、出血を止めるための一時的な代替手段(止血処置)に過ぎません。
「今回だけは自分がやる。でも、これは本来あるべき姿ではない。」
そう強く認識することです。
そして、自分が手を動かすことよりも、本来のあるべき姿に持っていくためにどう働きかけるかを優先して考えて欲しいのです。
「なぜあの人は動かないのか?」
「スキルが足りないのか、タスク量が多すぎるのか、モチベーションの問題なのか」
「どうすれば、次からは彼自身が動けるようになるか」
あるいは、
「この役割分担自体が間違っているのではないか」
「リーダーや上司に相談して、リソースを調整してもらうべきではないか」
つまり、自分でボールを持って走るのではなく、ボールをパスできる状態、あるいはシステムを正常化することにエネルギーを使うのです。
一人で抱え込まないで下さい。
「自分がやらなきゃ」と悲壮な決意でパソコンに向かう前に、チームに向かって声を上げて下さい。
「ここが遅れています」
「このままだと間に合いません」
「助けが必要です」
それを言うことは、決して無能の証明ではありません。
むしろ、リスクを早期に顕在化させ、チーム全体で解決策を模索する機会を作る、極めてプロフェッショナルな行動です。
問題を表面化させずに一人で処理してしまうことの方が、チームにとっては長期的には害悪になり得るとさえ言えます。
自分も、多くのプロジェクトに関わる中で、この罠に何度もハマりました…
目の前の火の粉を払うために、ついつい自分で手を動かしてしまう。
でも、それをグッと堪えて、「仕組みで解決する」「人を動かす」ことに意識を向ける。
それが、自分というリソースを守り、ひいてはプロジェクトをゴールまで導くためのあるべき方法だと学びました。
あなたという人間は、消耗品ではありません。
替えの利かない、大切な資源です。
ご自身の「ご利用は無理のない範囲で」お願いします。
これは、冗談ではなく、プロジェクトマネジメントにおける最重要項目の一つです。
特に真面目な方ほど、自己犠牲を美徳としてしまいがちです。
でも、あなたが笑顔で、心身ともに健康でいること以上に、プロジェクトに貢献できる状態はありません。
疲れた顔をして、イライラしながらキーボードを叩いているリーダーについていきたいと思うメンバーはいません。
もし、今週、あなたが誰かの分まで頑張りすぎていたとしたら。
もし、「なんで自分だけ」という感情が芽生え始めていたとしたら。
今すぐ、その重荷を誰かと分担することを考えてみて下さい。
「これはチームの課題であって、自分一人の課題ではない」
そう割り切る勇気も、時には必要です。
適度にブレーキを踏み、メンテナンスを怠らず、長く走り続けられるペース配分を心がけて下さい。
自分を大切にすることは、甘えではありません。
最高のパフォーマンスを出し続けるための、戦略的な選択です。
あなたのその責任感が、自分自身を傷つける結果とならないように見直してみて下さい。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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