その「海図」は、宝物か?それとも、ただの紙切れか? ~走りながら考える、航海術~
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
自分がいつも「計画立案が大切だ」とお伝えしていると、時折、ある種の悲痛な叫びにも似た、こんな反応を頂くことがあります。
「完璧な計画なんて、自分にはとても立てられません」と。
なるほど。
その言葉の裏には、きっと、こんな思い込みが隠されているのでしょう。
「一度立てた計画は絶対であり、その通りに進めるのが正しく、後から手を入れてはならない」と。
もし、あなたが少しでもそう感じているのなら、今日は、その重たい鎖を断ち切るための、一つの真実をお伝えします。
まず、断言します。
あなたがこれから挑むような、未知の挑戦において「完璧な計画」などというものは、この世に存在しません。
自分はいつも、プロジェクトは「なまもの」だとお伝えしています。
それは、どういうことか。
たとえ同じテーマ、同じ内容のプロジェクトであっても、関わる「人」が違えば、実行する「時」が違えば、そして、置かれた「場所」が違えば、その成功への道のり、すなわち「正解」は、全く別のものになる。
プロジェクトとは、決して、工場で作られる工業製品のように、寸分違わぬコピーは存在しない。一つひとつが、その瞬間にしか存在し得ない、唯一無二の「なまもの」なのです。
この考え方を、広大で、予測不能な大海原をゆく、一隻の船の航海に例えてみましょう。
あなたが描いた目標は「新大陸の発見」。
そして、あなたが立てた計画は、その新大陸へと至るための、唯一の「海図」です。
あなたが手にしているその海図は、過去の偉大な航海士が残した、成功実績のあるものかもしれません。
しかし、今回のあなたの航海は、 クルー(人)も、季節(時)も、そして、取り巻く海流(場所)も、全く違うのです。
出航前に完璧だったはずの海図は、この、二度とはない、唯一無二の航海の前で、果たして、まだ「完璧」と呼べるでしょうか。
答えは、明確に「ノー」です。
では、その海図は、もはや無価値な紙切れなのでしょうか。
それもまた、違います。
三流の船長は、計画通りに進まないことに絶望し、海図を破り捨て、やみくもに船を進め、遭難します。
二流の船長は、過去の成功例である海図に固執するあまり、目の前の嵐に気づかず、船を座礁させます。
しかし、一流の船長は、違います。
彼らは、手元の海図が、あくまで出発点となる「仮説(PLAN)」に過ぎないことを知っています。
そして、その仮説を信じ、まずは勇気を持って、船を前へと進めるのです(DO)。
現実という名の大海原で、実際に波を受け、風を読みながら、彼らは自らの現在地と、海図との間に生まれる僅かなズレを、常に見比べます(CHECK)。
そして「このままでは危険だ。舵を少し右に切ろう」「次の港で、補給をしよう」と、次なる最善の一手を考え(ACTION)、航路を修正していくのです。
これこそが、ビジネスの世界で語られるPDCAサイクルの、最も実践的な姿に他なりません。
あなたにお伝えしたいのは、完璧な海図を描くことに、貴重な時間を費やすな、ということです。
まずは、今持てる最高の知識と経験で、一枚の海図を描き上げる。
そして、その海図を信じて、勇気を持って、港から船を出すのです。
計画を立てることよりも、実行することを、優先してください。
なぜなら、本当の航海は、港を出て、最初の波を越えてから、初めて始まるのですから。
完璧でない計画であっても、心配はいりません。
その海図は、あなたが、現実という名の大海原と対話し、PDCAを回し続け、補正を重ねながら進む限り、必ず、あなたを、まだ見ぬ新大陸へと導いてくれる、最強の羅針盤となるのです。
さあ、完璧な計画を待つのは、もう終わりにしましょう。
あなたの、二度とない、尊い航海は、もう、始まっているのです。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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