その「我慢」は、本当に美しいですか? ~ゴールへの最短距離を見つける、思考の技術~
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
私事で恐縮ですが、先日、インプラントの手術を行いました。
4本のボルトを埋め込む必要があり、手術は長時間に及びました。(と言っても、1時間くらいですが。)
その手術の終盤、それは起こりました。麻酔が少しずつ切れ始め、歯茎を縫う針の痛みや、糸が肉を引っ張る生々しい感触が、はっきりと分かるようになってきたのです。
じわりと涙が滲むほどの痛み。
しかし、私は、歯科医にそれを告げず、ただひたすら耐えていました。「ここで弱音を吐いてはいけない」と、なぜか、そう思い込んでしまったのです。
もちろん、そんな我慢も長くは続かず、歯科医に痛みを訴え、最終的には麻酔を追加してもらい、手術は無事に終わりました。
さて、今日あなたにお伝えしたいのは、インプラント手術の体験談ではありません。
この、私の取った「無意味な我慢」という行動についてです。
この行動は、果たして、必要だったのでしょうか?
今回の私の「目的」は、ただ一つ。「インプラントの埋め込み手術を、安全に終わらせること」。
決して「自分が痛みと闘い、それに打ち勝つこと」ではなかったはずです。
であるならば、痛みという障害が発生した時点で、それを排除するための最も有効な手段、すなわち「麻酔の追加をお願いします」と、即座に伝えるべきだったのです。
私たちは、目標達成を目指す中で、知らず知らずのうちに、本来の目的とは関係のない部分で、このような「無意味な我慢」をしてしまっていることが、往々にしてあります。
「この苦労を乗り越えてこそ、価値がある」
「他人に頼るのは、甘えだ」
そんな、美しくも、しかし危険な思い込みが、私たちのエネルギーを、本来使うべきではない場所で、静かに、しかし確実に浪費させていくのです。
一流の登山家が、何日もかけて険しい山に挑む姿を想像してみてください。
彼らの目的は「山頂に到達すること」です。決して「全ての食料を、自分の背中だけで運びきること」ではありません。
もし、途中のベースキャンプに、ヘリコプターで追加の食料や装備を運ぶことができるなら、彼らはその手段を、躊躇なく使うでしょう。
なぜなら、彼らは知っているからです。余計な荷物で体力を消耗することが、登頂という最大の目的達成の確率を、いかに下げてしまうかを。
彼らにとって、ヘリコプターを使うことは「戦略」であり、決して「ズル」ではないのです。
あなたの挑戦に、これを置き換えてみてください。
あなたが今、必死で耐えているその「苦しみ」や「我慢」は、本当に、あなたの目標達成に不可欠なものでしょうか。
それとも、登山家のように、使えるものは何でも使い、さっさと解決して、より高く、険しい頂へと、身軽になって挑むべき問題ではないでしょうか。
・分からないことを、何時間も一人で抱え込んでいませんか。その道のプロに、たった5分、頭を下げて教えを請う、という手段を、なぜか封印していないでしょうか。
・面倒な事務作業を、毎月、根性で手作業でやっていませんか。月々数千円のツールを使えば、その時間を、もっと創造的な仕事に使えるのに、なぜか、その投資を「無駄」だと思い込んでいないでしょうか。
・たった一人で、全ての責任を背負い込んでいませんか。あなたの「助けて」の一言を、待っている仲間が、すぐ隣にいるかもしれないのに。
努力とは、我慢比べではありません。
自らが持つ、有限で、かけがえのない資源(時間、エネルギー)を、目標達成のために、いかに賢く、最適に配分するかという、極めて知的なゲームです。
もし今、あなたが、不必要な苦しみの中にいるのなら、一度、立ち止まって自問してみてください。
「私が本当に達成したい目的は、何だ?」と。
そして、「その目的を達成するために、今、私が使える最も有効な手段は、何か?」と。
その答えは、意外と、あなたのすぐ目の前に、転がっているかもしれません。
無駄な我慢を手放す。それは、目標達成から遠ざかることではなく、むしろ、そこへ至る最短距離のルートを、見つけ出すための、最高の戦略なのです。
今日も一緒にやり抜きましょう!
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