「見切り発車」こそが、目的地への最短ルートかもしれない

おはようございます。

一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。

今日は、目標達成に向けて行動を起こそうとしているものの、あと一歩が踏み出せない、という方に向けて、ある一つの「例え話」をさせて頂ければと思います。

それは、「すべての信号が青にならないとアクセルを踏めない」という心理についてです。

目標を立て、計画を作り、いざ実行という段になって、急に足がすくんでしまう。

「まだ準備不足なんじゃないか」

「予期せぬトラブルが起きたらどうしよう」

「この計画には、まだ穴があるかもしれない」

そんな不安が頭をもたげ、全ての懸念材料が払拭されるまで、スタートを切ることができない。

そんな経験はないでしょうか。

実は、自分もそうでした。

完璧主義な性格も災いして、石橋を叩いて、叩いて、結局渡らない、ということがよくありました。

しかし、ある時、思いました。

これって、車の運転に例えるなら、「家から目的地までの全ての信号が青になっていることが確認できない限り、家のガレージから出ない」と言っているのと同じではないか、と。

そんなことは物理的に不可能ですし、もしそんな条件を自分に課していたら、一生どこにも行けません。

実際の車の運転では、私たちはどうしているでしょうか。

とりあえず、エンジンをかけ、アクセルを踏み、ガレージを出ます。

そして、最初の信号が赤なら止まりますし、青なら進みます。

途中で渋滞に巻き込まれることもあれば、工事中で回り道を余儀なくされることもあります。

それでも、その都度、状況に合わせてブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったりしながら、最終的には目的地にたどり着いています。

なぜ、車の運転なら普通に行っていることが、人生やビジネスの目標達成になると、急にできなくなってしまうのでしょうか。

今日は、この「すべての信号が青になるのを待つ」という心理の正体と、そこから抜け出し、軽やかにアクセルを踏むための考え方を共有させて頂ければと思います。

まず、なぜ私たちは「すべての信号が青」であることを求めてしまうのでしょうか。

それは、根底に「止まりたくない」「失敗したくない」という強い恐怖があるからだと考えます。

一度走り出したら、ノンストップで、スマートに、最短距離でゴールまで駆け抜けたい。

赤信号で止まること、つまり、トラブルや停滞を「失敗」だと捉えてしまっているのです。

しかし、現実の世界において、ノンストップでゴールまで行けるプロジェクトなど、ほぼ存在しません。

どれだけ綿密な計画を立てたとしても、環境は変化しますし、予期せぬ事態は必ず起こります。

赤信号につかまることは、決して「失敗」ではありません。

それは単なる「交通状況」であり、プロセスの一部に過ぎないのです。

ここで大切になるのは、「見切り発車」をする勇気です。

言葉の響きは少し悪いかもしれませんが、目標達成においては、ある程度の見切り発車は必須スキルだと言えます。

見切り発車といっても、何も考えずに暴走するわけではありません。

「とりあえず、最初の交差点までは進める」という確信があれば、まずはそこまで進んでみる、ということです。

10キロ先の信号がどうなっているかなんて、今の場所からは見えませんし、まずは気にする必要もないと思います。

大事なのは、目の前の信号が青か、あるいは黄色か、それだけです。

もし目の前の信号が青なら、迷わずアクセルを踏んで下さい。

その先で赤信号にぶつかったら、その時はブレーキを踏めばいいのです。

実は、早く行動を開始することには、大きなメリットがあります。

それは、早く「情報が入ってくる」ということです。

車を走らせてみないと、道路の混雑状況も、路面の状態も、本当のところは分かりません。

ガレージで地図を眺めているだけでは得られない「生きた情報」が、動き出すことで次々と入ってきます。

「この道は意外と混んでいるな、じゃあ次の交差点で曲がろう」

「思ったよりスムーズに進んでいるから、少し休憩を入れよう」

このように、動き出した後に得られた情報を元に、計画(ルート)を柔軟に変更していくことこそが、確実に目的地にたどり着くためのコツです。

PDCAを回すことや、以前お伝えした弾道予測の話とも通じますが、補正や修正は「動いているもの」に対してしか行えません。

止まっている車は、ハンドルを切っても向きが変わらないのと同じです。

まずは動き出し、慣性をつけ、その上でハンドル操作を行う。

これが、物事を進める上での鉄則です。

また、「赤信号」に対する捉え方も変えた方がいいかも知れません。

多くの人は、進捗が止まることを極端に嫌がります。

しかし、赤信号で止まる時間は、必ずしも無駄な時間ではありません。

それは、周囲の状況を確認し、安全を確かめ、あるいはちょっと一息ついてリフレッシュするための、貴重な「間」でもあります。

プロジェクトを進めていく中で、壁にぶつかったり、停滞したりすることは必ずあります。

そんな時は、「お、赤信号だな」と捉えてみて下さい。

焦って信号無視をして突っ込めば、事故(大きな失敗)に繋がります。

赤信号の時は止まればいいのです。

そして、その間に地図を見直したり、仲間と連絡を取り合ったりして、状況が青信号になるまで止まる。

そう考えれば、停滞もまた、ゴールに至るために必要なプロセスの一コマだと思えるようになるのではないでしょうか。

自分自身の経験を振り返っても、見切り発車で始めたか否かより、状況に応じて柔軟に対応し、食らいついていったプロジェクトの方が上手くいくことが多かった気がします。

起業に関しても、すべてを見通して始めたわけではありません。

動き出したからこそ見えた景色があり、出会えた人々がいます。

そして、その積み重ねが、今の自分を作っているのだと確信しています。

ここで、一つおススメの考え方があります。

それは、カーナビゲーションシステムのような感覚を持つことです。

カーナビは、目的地を設定し、走り出すとルートを案内してくれます。

しかし、もしあなたが道を間違えたり、工事中で通れなかったりしたら、カーナビはどうするでしょうか。

「あなたには失望しました」と言って、案内を放棄するでしょうか。

そんなことはありません。

即座に「ルート再検索」を行い、その地点からの新しい最適ルートを提示してくれます。

私たちの目標達成も、これと同じでいいのです。

道を間違えたら(失敗したら)、またそこからルートを再検索すればいいだけです。

何度間違えても、目的地さえ見失わなければ、必ずたどり着くルートは存在します。

ただし、カーナビがルートを再検索できるのは、GPSで「現在地」が分かっているからです。

そして、現在地が変化する(移動する)からこそ、次の案内ができるのです。

ガレージに止まったままでは、カーナビも沈黙したままです。

あなたが今、アクセルを踏むのを躊躇している理由は何でしょうか。

はるか遠くの信号が赤に見えるからでしょうか。

それとも、ガソリンが持つか心配だからでしょうか。

心配事は尽きないかもしれません。

しかし、あなたの車(能力)は、あなたが思っている以上に高性能です。

そして、道(環境)は、走り出してみれば意外と整備されているものです。

すべての信号が青になる奇跡を待つのは、今日で終わりにしましょう。

目の前の信号が青なら、それは「進め」の合図です。

先のことは、その先に行ってから考えればいい。

それくらいの図太さと、楽観的な思考を持って、最初の一歩を踏み出してみてもいいかも知れません。

アクセルを軽く踏み込み、車が動き出す瞬間の、あの独特の高揚感。

それをぜひ、あなたのプロジェクトでも味わって頂きたいと思います。

動き出せば、風向きも変わります。

そして、その風はきっと、あなたの背中を押してくれるはずです。

今日も一緒にやり抜きましょう!

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