「正しさ」の暴走を止める自らへの問い掛け
おはようございます!
一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。
本日は、日常でついついやってしまいがちな「気が付けば、自分を『正しい』と思ってしまっている」という観点に対して、気づきのシェアをさせて頂ければと思います。
これを読んで下さっている方の多くは、ご自身で目標を立て、計画的に行動されている自律的な方が多いのではないかと思います。
自分で考え、自分で判断し、責任を持って動く。
これはビジネスパーソンとして、とても素晴らしい資質です。
自分自身も、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として、あるいは一人のプロフェッショナルとして、常に自分の頭で考え、こだわりを持って仕事をしているつもりです。
しかし、今日はあえてその「自律性」や「こだわり」に潜む、落とし穴についてお話しさせて下さい。
自分で考えて動ける人ほど、実は危ない。
そんな、「正義の暴走」の話です。
先日、自分がご支援しているあるクライアント先で、コミュニケーションミスを犯してしまいました。
恥を忍んで、その詳細をお話しします。
そのプロジェクトでは、自分のクライアントと、その先のお客さま(自分から見ればお客さまのお客さま)との間で、プロジェクトの「進め方」を調整する局面でした。
自分はマネジメント補佐として、この調整の場に臨みました。
頭の中には、明確な「あるべき姿」がありました。
「プロジェクトを前に進めるためには、誰が、いつまでに、何をするのか。実働レベルの具体的なタスクフロー(WBS)を固めなければならない」
これは、PMとしての自分の経験則であり、教科書的にも決して間違っていないセオリーです。
詳細が決まっていなければ、現場は動けない。
だからこそ、自分は会議の場でも、
「具体的な成果物はいつ完成しますか?」
「他チームとの連携はどう考えられていますか?」
と、行動レベルで詰めることを確認しました。
しかし、どうも話が噛み合いません。
「詳細を詰めないと、後で困るのは自分たちじゃないか」
そんな思いのもと、自分の主張が「正しい」と信じて疑っていませんでした。
しかし、結果として、それは大きな間違いでした。
実はその時、クライアントとお客さまの間では、まだプロジェクトの方針レベルでの合意形成が完全には終わっていなかったのです。
「プロジェクト推進のためにどの領域は誰が主体的に関係者とコミュニケーションを取って進めて行くか」
そういった足場の部分がまだグラグラしている状態でした。
そんな段階で、自分が主張していたような「実務レベルの詳細」を詰めたところで、方針が変わればすべて白紙に戻ってしまいます。
いわゆる「手戻り」です。
クライアントはそれを危惧して、「今はまだ詳細を詰めるには時期尚早だ」と考え、方針確認を優先しようとしていたのです。
自分は、その背景情報を知りませんでした。
自分の頭の中にある「プロジェクトはこう進めるべきだ」という正解(世界観)を前提に、目の前の状況や、相手が置かれている背景に意識が向いていなかったのです。
「詳細を詰めること」自体は、教科書的には正しい行為です。
しかし、それを適用する「タイミング」や「場面」を見誤れば、それはただの「ノイズ」になり、プロジェクトの阻害要因にすらなり得ます。
結局、その場は方針決定を優先することで収まりましたが、一歩間違えればクライアントの信頼を損なうところでした。
このことで、自分は思い知らされました。
「自分でちゃんと考えて動いている」という自負がある人ほど、前提条件の確認がおろそかになりがちだということです。
私たちは普段、自分の経験や知識に基づいて、瞬時に「これが正解だ」という答えを導き出します。
思考スピードが速い人ほど、その傾向は強いでしょう。
しかし、その思考の前提となっている「入力情報」に不足があったらどうでしょうか?
あるいは、前提条件が相手と食い違っていたらどうでしょうか?
どんなに優秀な計算式(ロジック)を持っていても、入力データが間違っていれば、出力される答えは「間違った正解」になります。
一番怖いのは、「自分の情報不足は、自分では気づきにくい」ということです。
私たちは、自分の見えている世界がすべてだと思い込んで生きています。
「自分は正しいことを言っているのに、なぜ相手は分からないんだ?」
そう感じた時こそ、黄色信号です。
相手には相手の、妥当な理由があるのです。
相手もバカではありません。
何か理由があって、その言動をとっているのです。
あの日、もし自分が「正しさ」を振りかざす前に、
「なぜ、担当者の方は今、詳細を詰めることに消極的なんだろう?」
と、一歩立ち止まって考えることができていたら。
あるいは、
「何か、私が把握していない懸念点があるのですか?」
と、相手の背景を理解しようとする「歩み寄りの心」を持てていたら。
きっと、あんなコミュニケーションミスは起きなかったはずです。
意識して情報を取りに行く姿勢。
そして、相手の言動の背景(コンテキスト)を理解しようとする想像力。
これがないと、どんなに優れたスキルも空回りしてしまいます。
「自分は正しい」
そう思った瞬間に、人は他人の話を聞かなくなります。
思考が停止し、自分の世界に閉じこもってしまいます。
特に、仕事に慣れてきた時、自分なりのやり方が確立されてきた時こそ、要注意です。
「このやり方が一番効率的だ」
「こうするのが常識だ」
そのこだわりが、時には相手を傷つけ、自分を孤立させてしまうかもしれません。
もし、周囲との会話の中で、意見が食い違うことがあったら、この話を思い出してみて下さい。
「相手が間違っている」と決めつける前に、
「もしかしたら、自分に見えていない何か(前提条件)があるのかもしれない」
と、自分を疑ってみて下さい。
「どうしてそう思うの?」
「あなたの視点ではどう見えているの?」
その一言が言えるかどうかが、独りよがりな「正解」から抜け出し、お互いが納得できる「納得解」へとたどり着くための鍵になります。
自律的に動くことは大切です。
自分の考えを持つことも大切です。
でも、その考えが「自分の世界の中だけの正解」になっていないか、常に客観視する謙虚さを忘れないようにしたいものです。
今回の失敗は、私にとって苦い薬となりましたが、おかげでまた一つ、マネジメントのプロとして、人間として、大切なことを学べた気がします。
忘れてしまいがちですが、意識して相手の背景を理解し、歩み寄る。
そんな当たり前のことを、これからも丁寧に積み重ねていきたいと思います。
今日も一緒にやり抜きましょう!
【お知らせ】
やりたいことが始められない、進まない、あなたの現状を確認して、次の一歩を提案します。
夢に向かってリブートする機会にご活用下さい。
●【無料】45分タイプ診断付きプロジェクト現状分析セッション
本ブログをメルマガにて配信中!
ご登録頂くと毎日自動配信されます。
●毎日インストールする「やり抜く力」の実践論
Amazon Kindleで電子書籍を提供しています。
Unlimited契約の方は無料でお読み頂けます。
●目標達成大全
●人生で大切なことはすべてフォーミュラ1が教えてくれた
●一歩踏み出せなかったあなたが夢を実現する27のアイデア

