「モグラたたき」から脱却し、全体を俯瞰する「鳥の目」を持つ

おはようございます!

一緒にやり抜く限界突破パートナー、福井俊治(しゅんじ)です。

本日は、プロジェクトマネジメントの基本でありながら、ベテランでも(そして自分自身も含めて)ついつい疎かにしてしまいがちな「全体を俯瞰することの大切さ」についてお伝えさせて下さい。

みなさんは、ゲームセンターにある「モグラたたき」をやったことがありますか?

穴から次々と顔を出すモグラを、ピコピコハンマーで叩くあのゲームです。

出てきたら叩く、出てきたら叩く。

反射神経が問われますし、夢中で叩いていると、なんだかすごく「やった感」が得られますよね。

しかし、ご自身のビジネスにおいても、この「モグラたたき」状態になってしまっていないか確認して頂きたいのです。

本日のテーマは、「目の前のモグラを叩いて満足していませんか?」という問い掛けです。

マネジメントを仕事にしている人であっても、意識しないとついつい忘れがちな視点。

それが「俯瞰(ふかん)」するという行為です。

自分は、クライアントの方々によく「目標に向かって計画を立てましょう」とお伝えしています。

みなさん、真面目に取り組んで下さいますし、立派な計画表を作ってこられる方もあります。

しかし、実態に違和感を覚えることがあります。

確かに計画は立てられているのですが、それはあくまで個別のタスクが羅列されているだけの「ToDoリスト」になってしまっていることがあるのです。

「A社にメールする」

「資料を作成する」

「会議を設定する」

これらは確かに必要なアクションです。

しかし、ここで問いたいのは、「そのタスクは、目標達成においてどういう意味があるのか?」という文脈(コンテキスト)あるいは、背景です。

なぜ、今そのタスクをやるのか。

プロジェクト全体の中で、どれくらいの優先順位なのか。

どの中間目標(マイルストーン)を達成するために実行するのか。

そして、それが遅れると全体にどう影響するのか。

そういったやるべきことの全体像と時間の繋がりが見えていないまま、ただ単に「やるべきこと」としてリストアップされているケースが非常に多いのです。

そして、この状態のまま仕事を進めると、どうなるか。

典型的なのが、目の前に課題が見つかったら、その重要性や優先順位も考えず、とりあえず反射的に解決しに行ってしまうという行動パターンです。

例えば、資料作成中にちょっとしたフォントの不統一やデザインのズレが気になったとします。

本来の目的は「大枠の構成を固めて合意を得ること」なのに、目の前の「ズレ」が気になって、フォントの調整や配色の修正に1時間もかけてしまう。

あるいは、今やるべき重要な提案書の作成があるのに、メールボックスに入ってきた急ぎでもない問い合わせに、「すぐに返せるから」と反応して、気づけば半日メール対応で終わってしまう。

これが「モグラたたき」状態です。

手を動かしていると、何となく安心感があるのは確かです。

「自分は働いている」

「課題を解決している」

という実感が得られるからです。

キーボードを叩いている音、タスクを完了にしていく快感。

それらは、脳にドーパミンを出し、私たちを仕事した気にさせてくれます。

しかし、厳しい言い方をすれば、それは間違った安心感かもしれません。

そのタスクは、本当に今やるべき「最優先事項」だったのでしょうか。

それよりも先に着手しなければならない、重要度の高いタスク(ボトルネックになりそうな課題)があったのではないでしょうか。

些末なことにいくら時間を割いても、プロジェクトは全然前に進みません。

船のデッキをピカピカに磨き上げていても、エンジンの故障を放置していたら、船は一向に目的地には近づかないのと同じです。

それどころか、今やるべきことを差し置いて、優先度の低いことに着手してしまった結果、後でとんでもない「しっぺ返し」を食らう可能性があります。

「あの時、先に主要メンバーのスケジュールを押さえておけば良かった」

「デザインにこだわる前に、他システムとの連携要件定義を詰めておけば手戻りしなかったのに」

期限直前になって重要課題が噴出し、炎上する。

これは、能力不足というよりも、「俯瞰不足」が原因であることがほとんどです。

こんな事態にならないために、本当の意味での「計画表」が必要であり、「全体を俯瞰する視点」が不可欠なのです。

一番たちが悪いのは、本人的には「自分はしっかりマネジメントしながら進めている」という気分になっている場合です。

細かいタスクを管理し、毎日忙しく動き回っている。

周りから見ても「頑張っている人」に見える。

でも、なぜかプロジェクトは進まないし、いつも納期ギリギリでバタバタしている。

もし、ご自身やチームがそんな状況に陥っているとしたら、一度手を止めて、視座を上げてみて下さい。

必要なのは、個々のモグラを見ることではありません。

計画全体を俯瞰し、「ストーリー」を読み解くことです。

「今、自分たちは全体のストーリーの中で、どの場面(フェーズ)にいるのか」

「この場面では、何が最重要な課題なのか」

「自分には今、どんな役割が求められているのか」

それを理解しながら進めるのと、ただ目の前のタスクを消化するのとでは、結果に雲泥の差が生まれます。

昔からよく言われることですが、ビジネスには「三つの目」が必要だと言われています。

一つ目は、「鳥の目」。

これは、高いところから全体を俯瞰する目です。

今日のテーマである、プロジェクトの全体像、ゴールまでの道のり、現在の位置関係を把握する視点です。

まずはこの目で、地図全体を見渡すことがスタートです。

二つ目は、「虫の目」。

これは、現場に近づいて細部を見る目です。

実際のタスク実行や、細かいクオリティの追求にはこの目が必要です。

しかし、ずっと虫の目でいると、自分がどこにいるのか分からなくなります。

三つ目は、「魚の目」。

これは、潮の流れ(トレンドや変化)を読む目です。

プロジェクトは生き物です。

状況は刻一刻と変わります。

計画に固執しすぎず、流れを見て柔軟に対応を変えていく視点です。

「やってるけど進まない」「忙しいのに成果が出ない」という事態から脱却するためには、この三つの目を意識的に使い分ける必要があります。

とにかく、まずは計画を一回、「鳥の目」で俯瞰してみて下さい。

今、あなたが一生懸命叩いているそのモグラは、本当に叩く必要があるモグラですか?

もしかしたら、そのモグラは放っておいて、先に進むべき道があるかもしれません。

あるいは、そのモグラを叩くよりも、モグラが出てこないように地面を固める(仕組みを作る)ことが、今のフェーズでやるべきことかもしれません。

全体が見えれば、今やるべきこと(ToDo)と、今はやらなくていいこと(Not ToDo)が明確になります。

「勇気を持って後回しにする」という判断ができるようになります。

実行する時は、徹底的に「虫の目」で細部にこだわり、集中してやり抜く。

そして、トラブルや予期せぬ変化が起きた時は、「魚の目」で柔軟に計画を修正し、推進していく。

この切り替えこそが、プロフェッショナルの仕事術です。

ここまでの話を踏まえ、あなたのプロジェクトの全体像をもう一度眺めてみて下さい。

きっと、目の前のモグラに夢中になっていた時には見えなかった、「本当の進むべき道」が見えてくるはずです。

「忙しい」という字は、「心」を「亡くす」と書きます。

心を亡くしてモグラたたきに興じるのではなく、心を整えて、まずは世界地図を広げましょう。

今日も一緒にやり抜きましょう!

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