【なぜなぜ分析】問題の「根っこ」を見つけ出す、たった一つの問い
おはようございます!
一緒にやり抜くマネジメントコーチ、福井俊治(しゅんじ)です。
今日も、あなたの目標達成を加速させるための「思考のOS」を、一緒にアップデートしていきましょう。
これまでのステップで、「現在地」を正確に把握し、そして、心が震えるほどワクワクする「ありたい姿(目的地)」を描いてきました。 これで、あなたの航海の「出発点」と「目的地」が、明確に示された海図が、手元にある状態です。
さあ、いよいよ、この二つの点を結ぶための、具体的なルート設計に入ります。 そのために、今日あなたに投げかけてほしい、最も重要な問い。それは、
「で、そもそも、なぜ、この問題は起きているのだろう?」
です。
■モグラ叩きを、いつまで続けますか?
問題が発生した時、私たちはつい、目に見える現象、つまり「症状」にばかり対処しようとしてしまいます。
「売上が低い」→「よし、とにかく営業件数を増やせ!」
「残業が多い」→「よし、今日から、全員、早く帰れ!」
しかし、これは、頭が痛いからと、原因を探らずに、痛み止めを飲み続けるようなもの。あるいは、次から次へと出てくるモグラを、ひたすら叩き続ける、モグラ叩きゲームのようなものです。 一時的に、症状は治まるかもしれませんが、根本的な「病巣」は、手付かずのまま。だから、何度でも、同じ問題が、形を変えて、再発するのです。
あなたの、貴重な時間とエネルギーを、この、不毛なモグラ叩きに、費やすのは、もう、やめにしませんか? 私たちが、本当に、取り組むべきは、その問題を生み出している、たった一つの「根本原因(真因)」を見つけ出し、そこに対して、的確な一手を、打つことなのです。
■「なぜ?」を5回繰り返す、思考のドリル
その、根本原因にたどり着くための、極めてシンプルで、強力な思考法。それが、トヨタ生産方式でも有名な「なぜなぜ分析」です。 やり方は、その名の通り、一つの事象に対して、「なぜ?」という問いを、最低5回、深く、深く、掘り下げていく、というものです。
例として「売上があがらない」という問題を、一緒に掘り下げてみましょう。
- 【なぜ①】 なぜ、売上があがらないのか? → 「新規のお客様が、減っているから」
- 【なぜ②】 なぜ、新規のお客様が減っているのか? → 「既存のお客様からの紹介が、少なくなっているから」
- 【なぜ③】 なぜ、紹介が少なくなっているのか? → 「お客様の満足度が下がっているのかもしれない」
- 【なぜ④】 なぜ、満足度が下がっているのか? → 「納品後のアフターフォローが手薄になっているから」
- 【なぜ⑤】 なぜ、アフターフォローが手薄になっているのか? → 「担当者が目の前の新規契約の対応に追われて、手が回っていないから」
いかがでしょうか。 最初の「売上があがらない」という、漠然とした問題から、「担当者の、リソース不足と、業務配分の問題」という、具体的で、対処可能な「根本原因」に、たどり着くことができました。
もし、この分析をせずに、「とにかく、新規開拓だ!」と号令をかけていたら、どうなっていたでしょう。 担当者はさらに疲弊し、アフターフォローはもっと手薄になり、顧客満足度はさらに低下する…という、最悪の悪循環に陥っていたかもしれません。
■本当の「根っこ」を見つけるための注意点
この「なぜなぜ分析」を行う上で、一つだけ、注意してほしいことがあります。 それは、原因を「個人の能力や、意識の問題」で終わらせないことです。 「担当者のやる気がないから」「彼の能力が低いから」といった結論は、思考停止であり、何の解決も生み出しません。
そうではなく、「なぜ、その人はそうせざるを得なかったのか?」という、「仕組み」や「構造」の問題として捉えるのです。 「やる気が出ないような評価制度に問題があるのではないか?」 「能力を発揮できないような教育体制に問題があるのではないか?」 と、もう一歩、踏み込んでみてください。
あなたが、コントロール可能な「仕組み」の問題にたどり着いて初めて、その問いは意味を持つのです。
さあ、あなたの目の前にある問題。 その本当の「根っこ」は、どこに隠れているでしょうか。 スコップを手に、深く、深く、掘り下げてみましょう。 その根っこを見つけ出した瞬間、あなたの視界はクリアになり、今、本当に何をすべきかがはっきりと見えてくるはずです。
一緒にやり抜きましょう!
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